研究課題/領域番号 |
19K05486
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 女子栄養大学 |
研究代表者 |
赤井 昭二 女子栄養大学, 栄養学部, 教授 (00322537)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | パンクラチスタチン / ニトロアルドール / Henry反応 / アナログ / 抗腫瘍活性 / ニトロアルドール反応 / 抗がん剤 / アルカロイド / 有機合成 |
研究開始時の研究の概要 |
6-6-6員環の三環性天然産アルカロイドの1つパンクラチスタチン(PST)は、顕著な抗腫瘍活性を有することから、国内外の研究者が注目する抗がん剤リードである。しかしながら、天然物とその誘導体のほとんどで水性溶媒または薬学上許容される媒体への溶解度が低いという問題点があった。本研究では、代表者が開発した連続Henry反応を用いる立体選択的なPSTの合成法を軸に、従来にない環サイズを変化させた5-6-6、および7-6-6員環の新規誘導体と、6-6-6員環の種々のヒドロキシ基アナログ(デオキシ-、フルオロ-、エピ-体、シクロプロプロピル基等の置換体)を合成し、水溶性の向上と高活性化の両立を目指す。
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研究成果の概要 |
三環性天然アルカロイドの1つパンクラチスタチンから新奇な抗がん剤のリード化合物の創製を目指し、連続Henry反応と多様性指向型合成を組み合わせて、これまでにない新奇な誘導体の合成研究を行った。その結果、デオキシ、エピ、メトキシの3つの2位誘導体の合成を達成し、2位フッ素体の合成にも目途を立てた。また連続Henry反応を用いて天然物のA環を縮小した5-6-6員環の誘導体の合成法を新たに見出し、多様性指向型合成が誘導体合成に有効であることを明らかにした。また、2位誘導体の細胞毒性試験から、2位OH基の相互作用が活性の発現に重要であることも明らかにし、リード化合物の創製に有用な知見を得た。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
パンクラチスタチンの2位誘導体の合成とその活性試験により、2位OH基が活性発現に極めて重要であることを明らかにすることができた。また、A環のサイズを小さくした5-6-6員環誘導体の合成は比較的容易で、選択性や活性のまったく異なる新たな物質の創製につながる多くの知見が得られた。研究の基軸となる連続Henry反応を用いるパンクラチスタチンの全合成法は、様々な誘導体の合成に優れ、2位をフッ素原子に置換した誘導体は、応用研究により癌組織のイメージングへと発展可能な点で学術的意義の高い研究と言える。このような低分子医薬の基礎研究は、社会的要請の高い抗がん剤へとつながるものであり、社会的意義も十分である。
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