研究課題/領域番号 |
19K05493
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
|
研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
河野 慎一郎 名古屋大学, 理学研究科, 講師 (10508584)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
|
キーワード | 液晶 / 大環状化合物 / 分子認識 / ホストーゲスト化学 / 超分子化学 / ナノ空間 / イオン伝導 / 物質輸送 |
研究開始時の研究の概要 |
大環状化合物は、サイズと形状が均一なナノ空間を形成することで、取り込んだ分子のふるい効果や特異な反応性などの「ナノ空間内の特異性」を実現することができる。大環状化合物を一次元に積み重ねて自己組織化した組織からなるカラムナー液晶を用いれば、液晶特有の流動的な性質により、カラムナー組織の方向を自在にコントロールする「空間配向性」も可能となる。本研究では、それぞれの長所を併せ持つソフトマテリアルとして、カラムナー液晶の物質輸送や内部の反応性などを開拓し、機能性材料として開発することを目的とする。また、カラムナー構造中のナノチャネルや孤立したナノ空間を持つ超分子錯体の構造解析や機能開拓も検討する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、分子構造を厳密に定義できる大環状化合物を用いて、カラムナー液晶の内部に捕捉したサイズ選択的なイオン伝導や、不均一触媒等の開発に繋がる精密分子配列を実現する分子組織構造の機能化を目指した。本研究成果により、「液晶性大環状化合物の部分構造であるサルフェンとリチウムイオンの結合構造およびその動的挙動の解明」、「ナノ空間をもつ金属錯体型フォルダマーの液晶特性の評価」、「大環状化合物を用いた二次元多孔性結晶の構築と空間サイズを利用した機能性分子の配列」に成功した。また、新奇な含窒素π拡張型共役系分子の開発に繋がる鍵化合物として、カルバゾールをポルフィリンに導入した環状化合物の開発に成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で開発した液晶性大環状分子とその一連の化合物は、その自己集合構造により、一義的なサイズや化学的性質をもつ特異なナノ空間をもつ液晶物質や、二次元多孔性物質の創製に成功した。これらは、特異的にリチウムオンを捕捉する分子構造の解明、フラーレンなどの機能性分子の分子認識と精密配列化を可能とした。本研究により、イオンを伝導するソフトな多孔性物質の創製、電子リソグラフィーを超える分解能でフラーレンの精密の配列化を実現したものであり、多孔性ソフトマテリアルの機能化や新規特性を機能性界面の展望を大きく前進させたため、学術的に重要な意義があり、社会的にインパクトの高い研究成果といえる。
|