研究課題/領域番号 |
19K05494
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大坪 主弥 京都大学, 理学研究科, 助教 (90601005)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | ナノチューブ / 疎水性空間 / 水クラスター / 水素結合 / プロトン伝導 / 薄膜材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題ではボトムアップ合成により得られる高プロトン伝導性の金属-有機ナノチューブを基盤材料に据え、ボトムアップ合成の設計性と多様性の高さに立脚した実験的な材料構築技術から、疎水性空間内の水分子に起因する特異な物性に対する多角的な実験研究を行い、理論的な側面のみが先行している高速プロトン輸送に関する機構の解明と具体的な材料設計指針を提示することを目指す。
|
研究成果の概要 |
新規に合成した金属-有機ナノチューブ(MONTs)において疎水性空間における特異な水クラスター構造をX線結晶構造解析から明らかにし、水分子クラスター間の水素結合ネットワークを介した超プロトン伝導性について、実験と理論の両面から多角的に明らかにすることに成功した。加えて、多様な開口径を有するMONTsの合成にも成功し、チューブの開口径とプロトン伝導性の関係についての知見を得ることにも成功した。また、白金ダイマー錯体からなる新規配位高分子の合成にも成功し、結晶中でカチオン性ゲストが水分子の吸着/脱着に伴い超プロトン伝導性発現のためのスイッチとして機能することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究課題で着目したナノチューブ内の狭いナノ空間に補足された水分子に関する理解が進めば、水素結合様式に依存したプロトン伝導性の変化等の基礎科学的な知見が得られるだけではなく、将来的には生体膜タンパク質が持つ指向性のあるプロトン/水の輸送現象(高速輸送、選択的輸送、一方向輸送、能動輸送)の解明や生体模倣材料の構築に繋がると期待される。さらには、高効率な水浄化膜や高機能な燃料電池材料等、我々の生活に直結する将来的な機能材料創成にブレークスルーをもたらすと期待される。
|