研究課題/領域番号 |
19K05499
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
|
研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
黒田 泰重 岡山大学, 自然科学学域, 特任教授 (40116455)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
|
キーワード | ゼオライト / 遠赤外線領域の測定 / 放射光 / in situ測定 / DFT計算法 / 二酸化炭素吸着剤 / 一酸化二窒素吸着材 / 遠赤外線吸収スペクトル / 遠赤外線吸収スペクトル測定 / イオン交換ゼオライト / 低圧条件下での二酸化炭素吸着 / 室温での二酸化炭素吸着 / 選択的二酸化炭素吸着 / 特異な吸着モデル構築 / DFT計算 / 遠赤外線吸収測定 / 400ppm程度の二酸化炭素吸着 / イオンー骨格相互作用 / 遠赤外線分光 / 無機固体化合物 / 二酸化炭素 / キセノン / 窒素 |
研究開始時の研究の概要 |
固体表面に担持された金属やイオンと反応分子との間の相互作用に関する情報を得るために,放射光利用による,実験条件下での遠赤外線吸収スペクトル測定法という新しい研究手法開発に挑戦する.放射光を利用した遠赤外線領域の振動スペクトル測定は,高感度・高分解能な実験が可能であり,大変魅力的である.この新手法を吸着・触媒系へ適用し,金属クラスターや交換イオンなどの活性サイト周りの結合状態に関する知見を得る.このようにして得られた知見を計算化学的手法と組み合わせた研究により,活性サイトの状態や活性サイト上における反応分子との相互作用を解明し,新物質合成や触媒・吸着物質のデザイン・合成への展開を図る.
|
研究成果の概要 |
地殻中に多量に存在する元素(Si, Al, O, Ca)から構成される固体無機化合物であるカルシウムイオン交換A型ゼオライト:CaAと略記を用いて,室温・低圧(~5000 ppm程度)の条件下で二酸化炭素を高効率・高選択的(世界一の性能を示す)吸着現象を見出した.この現象に関わる交換されたカルシウムイオンのイオン交換サイトについて遠赤外線吸収スペクトル測定と計算化学的手法を組み合わせることによってCaA型ゼオライト中に形成される特異な吸着サイトの状態を世界で初めて明らかにした.また,室温で見出されたゼオライトによる新奇なXe化合物形成の解明をめざして可視-紫外領域の分光法による研究も行った.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゼオライトを用いた特異反応場の創出は種々の物質の特異吸着や活性化のための触媒開発の本質解明のために極めて重要な研究である.本研究では地球温暖化防止のためのCO2などの高効率で高選択な吸着および分離をめざした物質開発とその要因の解明を,SPring-8の放射光を利用した研究により行った.その結果,極めて重要な情報を得ることに成功し,王立協会の国際誌のバックカバーとして採用され,多くの研究者などから注目される内容となり,学術的にも意義深い内容である.さらに,この成果は,地球温暖化防止のためのゼオライト利用の可能性を切り開く重要な研究となるものと期待でき,企業との共同研究としてもスタートしている.
|