研究課題/領域番号 |
19K05501
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
福岡 宏 広島大学, 先進理工系科学研究科(工), 助教 (00284175)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 共有結合 / 高圧合成 / 硫化物 / クラスレート / 共有結合性ネットワーク / Zintl相 / 共有結合性金属間化合物 / 超伝導 / 強相関系 |
研究開始時の研究の概要 |
14族元素であるケイ素、ゲルマニウム、スズといった元素は、電気陽性金属との反応によって、14族元素からなる共有結合骨格をもった特徴的な化合物群を生成する。近年、これらの中に数多くの超伝導体が発見され、更に熱電材料など機能性材料への応用の道も開けてきたことから、新しい骨格の構築や新構造の発見への研究が益々盛んになってきた。そこで本研究では、異なった形状の共有結合パーツを組み合わせる方法によって、新しい骨格を構築する方法の開拓を目指す。また、こうしたアプローチにより、新規超伝導体の探索とその電子構造に関する研究を進めることを目的とする。
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研究成果の概要 |
V-S系について、高圧装置を用いて、10から13万気圧、700から1000℃での高温高圧反応を行った。その結果、これまでに報告のない硫化バナジウムを発見した。この化合物は、これまでにない新しい層状構造をもち、Vの配位数は珍しい八配位であること、構造中に硫化物イオン(S2-)とジスルフィドイオン(S22-)をもつことを見出した。 また、我々が以前発見したCrS3の単相合成に成功し、この化合物が反強磁性体であることを見出した。現在その磁気構造を中性子線回折測定により解析中である。またMgとBaと炭素との高圧反応により、データベースにない回折ピークを与える生成物が得られ、現在その同定作業を進めている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年地球深部と同等の高圧を発生させることのできる装置の普及によって、高圧下で見いだされた新化合物が興味深い構造や物性を示すという研究成果が、多数発表されている。本研究では、硫化物の系において、新構造を持つ硫化物の合成に成功し、高圧下における遷移金属の配位形態の多様性や、硫黄の重合に関する知見を得ることができた。多彩な化学修飾が可能な構造であることから、物性変換などの研究への展開が期待できる。
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