研究課題/領域番号 |
19K05503
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
谷田部 剛史 九州大学, 工学研究院, 助教 (00748387)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 水素の活性化 / 炭素ー炭素結合生成 / ヒドロゲナーゼ / 二酸化炭素 / 水素 / 還元的カップリング / アリール化 / 炭素炭素結合生成反応 / 電子貯蔵 / ヒドロゲナーゼモデル / 水素酸化 / 異性体 / クロスカップリング |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水素の電子を利用した新規の還元的炭素炭素結合生成反応を構築する。近年、水素をヒドリド源とした還元的炭素炭素結合生成反応は、高い原子効率および次世代エネルギー源の水素の新たな利用として注目されている。しかし、現在報告されている水素を用いた還元的炭素炭素結合生成反応では、ヒドリド中間体を活性種としているため、基質適応範囲が狭いという問題点がある。 そこで本研究では、水素の電子を貯蔵した低原子価種を活性種とする、新たな還元的炭素炭素結合生成反応を構築し、既存の方法では達成できていない有機分子間の炭素炭素結合生成反応の進行を目指す。
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研究成果の概要 |
水素の電子を利用した還元的炭素―炭素結合反応の構築を目的として、研究期間内に以下の4つ成果が得られた。(1)ヒドロゲナーゼを範とした電子貯蔵触媒の開発、(2)ハロゲン化アルキル同士の還元的炭素―炭素結合反応、(3)芳香族化合物の炭素―水素結合の活性化によるビアリールの合成、(4)二酸化炭素と有機ハロゲン化物からのカルボン酸合成である。すなわち、ヒドロゲナーゼの機能を模倣した電子貯蔵触媒を利用することで、有機ハロゲン化物を還元的に活性化し、ハロゲン化物、芳香族または二酸化炭素との炭素―炭素結合反応を構築することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの有機合成反応において、水素は主にヒドリド(H-)として利用されている。一方、水素を電子(e-)として利用する研究はほとんど進展していない。本研究課題では、水素を電子として利用するための電子貯蔵触媒の分子設計指針と、実際の有機合成反応への利用を示すことができた。すなわち、水素を電子として利用する新たな有機合成反応を構築する基礎研究として、本研究課題は学術的意義がある。また、今後の水素社会における水素の新たな利用法の一つを提案できる研究として、社会的意義があると考えている。
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