研究課題/領域番号 |
19K05508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 日本大学 (2021) 北里大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
吉田 純 日本大学, 文理学部, 准教授 (60585800)
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研究分担者 |
佐藤 久子 愛媛大学, 理工学研究科(理学系), 教授 (20500359)
渡辺 豪 北里大学, 理学部, 准教授 (80547076)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | キラリティー / 液晶 / ホストゲスト / 赤外円二色性 / VCD / 金属錯体液晶 / ホスト・ゲスト / ルテニウム / キラル / 金属錯体 / XRD / メタロメソゲン / 分子動力学計算 / らせん / 分子動力学シミュレーション / GI-XRD / 置換活性錯体 |
研究開始時の研究の概要 |
キラルな八面体型金属錯体(デルタ・ラムダ異性)は、これまで合成や光学分割に関する多数の報告があり、近年ではキラル光学材料としても注目を集めている。一方、キラル光学材料や不斉触媒として利用されるキラル錯体の多くは、中心に置換不活性な金属イオンをもつ。置換「活性」な金属イオンをもつ場合、そのエナンチオ体は徐々にラセミ化し光学活性を失う。本研究では、置換「活性」錯体のエナンチオ体を安定に保持し、機能を発現する場(ホスト)として、液晶性を示す金属錯体を検討・活用する。さらに、液晶ホスト内部に包接された置換「活性」錯体のキラル物性の開拓に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究では、構造柔軟性に優れる液晶を「ホスト」として捉え、実際に活用することを目指した。キラルなルテニウム錯体が、その光学活性体において、約5nmのピッチをもった「らせん」構造を形成することを、各種測定と分子動力学シミュレーションにより明らかにした。さらに、Ru-C8の光学活性体は、逆のキラリティーをもつIr-C8を取り込むこと、さらに非液晶性分子である[Ru(acac)3]を取りこんだ場合には、単体とは異なる液晶相を形成することが示唆された。このほか、超格子やキュービック相など、当初は予想していなかった新たな構造や現象も確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
次世代の表示素子やセンシング材料として、キラル光学特性を示す分子性材料が注目を集めている。用いる金属イオンや配位子によって物性制御が可能なキラル錯体もまた、キラル光学材料として期待される1つである。本研究で開発した液晶性ホストは、ゲストに応じてその構造を柔軟に変える。VCD測定の結果からも、ゲストの包接によってホスト単体とは異なる光学特性を持ちうることが示唆された。今後、さらに様々な金属錯体の包接を検討することで、より多彩なキラル光学特性の開拓やキラル反応場としての展開も可能になると期待される。
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