研究課題/領域番号 |
19K05518
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
川上 淳 弘前大学, 理工学研究科, 教授 (60261426)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 蛍光分析試薬 / 有機蛍光色素 / 凝集誘起発光 / 近赤外 / トリプタンスリン |
研究開始時の研究の概要 |
有機蛍光色素の多くは平面構造で,希薄溶液中では強い蛍光を示すが高濃度溶液中では分子がぴたりと積み重なった集積構造を形成して凝集起因消光(ACQ)を起こす。そのため,有機蛍光色素による蛍光分析試薬は,高濃度溶液中での検出感度や定量性が低下する。 本研究では,分子内に回転運動が可能な嵩高い置換基を導入することで,希薄溶液中では熱放射を伴う無輻射過程が勝り無蛍光で,高濃度溶液中では回転運動の抑制と集積構造の取り難さにより蛍光強度が増大する凝集誘起発光(AIE)を利用した,高濃度溶液中での検出感度と定量性に優れ,生体蛍光プローブとして最適な650~900 nmで発光する近赤外蛍光分析試薬を構築する。
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研究成果の概要 |
有機蛍光色素を用いた蛍光分析試薬は,簡便で汎用性が高く,特に,生命科学においては必要不可欠なものになっている。しかし,従来のものの多くは平面構造で,希薄溶液中では強い蛍光を示すが,高濃度溶液中では分子が積み重なった集積構造を形成して凝集起因消光を起こす。 本研究では,分子内に回転運動が可能な嵩高い置換基を導入することで,希薄溶液中では熱放射を伴う無輻射過程が勝り無蛍光であるが,高濃度溶液中や凝集状態では,回転運動の抑制と集積構造の取り難さにより蛍光強度が増大する凝集誘起発光を利用した新規近赤外蛍光分析試薬を構築を目指した。その結果,幾つかのモデル分子の合成に成功し興味ある知見が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の蛍光分析試薬は,平面構造の有機蛍光色素を用いたものが多く,希薄溶液中では強い蛍光を示すが,濃度の増大により分子が積み重なった集積構造を形成して凝集起因消光を起こすため,検出感度や定量性に問題があった。 本研究で合成された,分子内電荷移動型の蛍光性トリプタンスリンに回転可能な嵩高い置換基を導入した系は,希薄溶液中では熱放射を伴う無輻射過程が勝り無蛍光であるが,高濃度溶液中や凝集状態では回転運動と積み重なった集積構造の抑制により生体蛍光プローブとして最適な近赤外領域での凝集誘起発光を示すものである。よって,今後の蛍光分析試薬開発において学術的・社会的に意義のある成果と言える。
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