研究課題/領域番号 |
19K05524
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
山本 茂樹 大阪大学, 理学研究科, 助教 (60552784)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | キラリティ / タンパク質構造 / 振動光学活性 / テラヘルツ / 低波数 / αヘリックス / ラマン分光 / 光学活性 / 分子分光 / 高分子構造 / 生体関連高分子 / スペクトル分析 / レーザー分光 |
研究開始時の研究の概要 |
αヘリックス構造に代表されるタンパク質のキラルな二次構造は紫外円二色性などによって簡便に測定されてきた。しかし,さらに高次のタンパク質構造の測定も必要不可欠である。一方で,溶媒分子とタンパク質との間に形成されるキラルな溶媒和構造を直接測定できれば,タンパク質の溶解や変性初期反応をより深く理解できるだろう。しかし,これらタンパク質のキラル高次構造を溶液中において簡便に測定することは難しい。本研究においては新規な低波数ラマン光学活性分光を開発し,溶液中タンパク質のキラル高次構造を直接に解析できる簡便な測定法を開発する。
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研究成果の概要 |
タンパク質のキラルな高次構造と,その溶液中での揺らぎ,さらには周囲の溶媒分子とのキラルな溶媒和構造を直接測定することを目指し,キラリティを分子振動によって検出するラマン光学活性(Raman Optical Activity: ROA)の測定範囲を低波数領域にまで拡張し,タンパク質の低波数ROAを初めて測定した。低波数領域を測定可能な新規ROA装置を開発し,結晶構造が既知のタンパク質の測定によりピーク帰属を試みた。αヘリックス構造をとるポリペプチドのスペクトルを量子力学計算によりよく再現し,低波数ROAはαヘリックス二巻き分の長距離の相互作用と,その構造ゆらぎを反映することを明らかとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ラマン光学活性の測定範囲を低波数領域にまで拡張し,溶液中タンパク質の測定を初めて行ったことは,タンパク質のキラル高次構造とその揺らぎを直接に簡便に測定する新規な方法を開拓した点で学術的意義が高い。生物のキラル選択的な反応の一因はタンパク質のキラル高次構造とその反応にあると考えられるため,その解析手法の開発はキラル薬剤の開発の一助となるだろう。
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