研究課題/領域番号 |
19K05534
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
武井 史恵 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 進学課程, 准教授 (30252711)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | DNA / EIS / 小分子リガンド / PCR / RNA / 蛍光分子 / DNA結合分子 / 炭素電極 / 遺伝子検出 / 電気化学 / リガンド |
研究開始時の研究の概要 |
本課題研究では、申請者の独自技術であるDNAの特殊構造に特異的に結合する“小分子リガンド”を使った遺伝子蛍光検出法を基盤とした新しい電気化学的な手法を用いた生体分子計測法を構築する。インピーダンス(EIS)を用い、DNAと小分子リガンドの相互作用の変化を電気シグナルとして検出する方法の開発を目指す。開発した遺伝子検出法がDNA, RNAの定量的な検出に応用可能であることを示すため、1)小分子リガンドを固定化した電極の開発と基本原理の実証、2)遺伝子増幅反応組み合わせた高感度測定、3)21-25塩基長のmiRNAの検出法の確立、実証を行う
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研究実績の概要 |
申請者の独自技術であるDNAの特殊構造に特異的に結合する“小分子リガンド”を使った遺伝子蛍光検出法を基盤とし、新たに電気化学的な手法を用いた高選択的な高感度生体分子計測法を構築することを目的として、研究を始めた。電気化学的手法としてインピーダンス(EIS)を用い、DNAと小分子リガンドの相互作用の変化を電気シグナルとして検出する方法の開発を目指し、昨年は小分子リガンドを固定化した電極の開発と基本原理の実証を行った。本年度はあらたに電気化学特性を持ち、かつ、DNAの特殊構造に特異的に結合する小分子リガンドの開発を行い、電極表面状に固定化を必要としない検出系の開発を目指して様々な化合物の特性について調べると同時に、新たな化合物の合成をおこなった。 我々が蛍光分子として用いてきた2,7-ジアミノ1,8-ナフチリジン誘導体(DANP誘導体)のインピーダンスに対する電気化学的な性質を調べたところ、ナフチリジン環上にニトロ基が存在する(DANP-NO2)場合、存在しない場合(DANP)に比べてインピーダンスの変化は大きいことが分かった。その一方で、DANP-NO2のDNAへの結合能力が弱いため、検出を目的としたDNAを加えたときのEISの変化は小さく、インピーダンス測定によってDNAの特殊構造を特異的に検出する測定にDANP-NO2は適さないことが示唆された。またこの検出系では電極上にDNAや酵素等が吸着されるのを防ぐためPVAコートを行っているが、このPVAとDNAP誘導体の間で相互作用があると考えられ、電極表面状についても再検討が必要であることが分かった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Covid-19の蔓延に伴い、研究補助員の雇用を行う予定であったが、人材が確保できず、その間の時間をロスすることとなったため。
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今後の研究の推進方策 |
全く知見がなかったEISと小分子リガンドの組み合わせによるDNAの検出というテーマにおいて、様々な分子のEISを測定することで、EISに活性な分子の特徴を知ることができた。一方、我々が現在持っているDNAの特殊構造に特異的に結合する分子については、あまりEIS活性が高くない。なお、別の研究によって、EISが大きく増減する分子の合成の特徴が分かったので、今後はこの問題の解決に向かって、EIS活性、かつDNAの特殊構造に特異的に結合する分子の開発を行なっていく。また電極表面での吸着等の問題も大きく、この問題を解決するためにPVA以外の化合物もも試していく予定である。
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