研究課題/領域番号 |
19K05539
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
岩橋 崇 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (30402423)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 電気化学界面 / ヒステリシス / 電気二重層 / イオン液体 / 二次電池 / 活性化エネルギー / 吸着エネルギー / 活性化障壁 / 電位応答ヒステリシス / 過電圧 / 非線形振動分光 / 電極界面 / 電気化学 / 和周波発生振動分光 / SFG / in situ計測 / 光電子分光 |
研究開始時の研究の概要 |
スマートフォンなどに搭載される電池は電解液/電極界面における電気化学反応から電気エネルギーを生成する。電解液/電極界面構造の理解は新たな電池開発に重要な指針を与えるが、電位を掃引する方向に応じて電解液/電極界面構造が変化するヒステリシス挙動が近年発見され、このメカニズム解明が求められている。本研究では界面敏感な和周波発生振動分光や光電子分光を相補的に活用して電解液/電極界面構造の電位応答を計測し、ヒステリシス要因の解明を目指す。
|
研究成果の概要 |
電解液/電極界面は電気化学反応場として機能する根源的なナノ領域であり、当該界面に形成される電気二重層(EDL)は系の電気化学特性を支配する。近年、既存モデルで説明できないEDL構造の電位応答ヒステリシスが確認された。ゆえに、EDL構造の精確な理解には当該ヒステリシス要因の究明が求められる。 本研究は非線形振動分光とEDLモデル解析を併用してイオン脱離の活性化エネルギーを定量化し、ヒステリシスが主にアニオン脱離の活性化エネルギーに起因することを突き止めた。また、イオン共吸着状態からイオンの吸着エネルギーを評価することで、活性化エネルギーにおける吸着エネルギーと活性化障壁の寄与の分離を実現した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は電解液/電極界面のEDL構造の電位応答計測に加え、これまで困難であったイオン脱離の活性化エネルギーの定量評価を実現した。当該計測技術を二次電池をはじめとする多様な電気化学系に展開することで、電気化学特性と電気化学界面のイオン吸着脱離挙動との相関理解に繋がると考えられる。ゆえに、本研究成果は電気化学界面の基礎的理解の深化に繋がるため、電気化学の研究領域において高い学術的意義を有する。同時に、電気化学界面構造-機能相関の解明は、電気化学デバイス材料開発の指導原理獲得にも貢献し、持続可能な社会に向けたエネルギーデバイスの更なる高性能化にも寄与するため、社会的意義も十分高い。
|