研究課題/領域番号 |
19K05540
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
遠田 浩司 富山大学, 学術研究部工学系, 教授 (60212065)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 低侵襲血糖値センサ / グルコースレセプター / 近赤外吸収色素 / アップコンバージョンナノ粒子 / 近赤外発光応答 / オプティカル血糖センサ / コアシェル型ランタノイドナノ粒子 / ビスベンゾボロキソール型グルコースレセプター / レセプター感受性近赤外吸収色素 / 競争的錯形成反応 / 内部フィルター効果 / 発光共鳴エネルギー移動 / ウェアラブル光学センサ / ランタノイドナノ粒子 / 近赤外線発光 |
研究開始時の研究の概要 |
糖尿病患者の厳密な血糖値管理のため,長期にわたり血糖値を連続的かつ精度よく測定でき,患者の負担の少ない持続血糖測定システム(CGM)の開発が切望されてきた。現在、電気化学CGMが市販され、実用に供されているが、酵素を用いるため一週間程度でセンサ部を交換する必要がある。そこで本研究では,低侵襲的に皮下間質組織液中の血糖値を長期にわたりモニターできるウェアラブル光学センサの感度及び精度の向上を目指した,皮膚組織による光学的妨害の極めて少ない近赤外光(NIR)を発するアップコンバージョンナノ粒子(UCNPs)と合成レセプターに基づく血糖値センシングシステムを開発する。
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研究成果の概要 |
グルコースの濃度の情報を近赤外(NIR)発光強度の情報に変換するランタノイドアップコンバージョンナノ粒子(UCNPs)に基づくセンシングフィルムを開発した。これはグルコースレセプター共重合フィルムにレセプター感受性近赤外吸収色素固定化UCNPsを包埋したもので,波長980 nmのレーザーを照射するとグルコース濃度に応じて波長800 nmの近赤外発光強度が変化する。開発したセンシングフィルムは,生理的グルコース濃度範囲で良好な近赤外発光応答を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,糖レセプター共重合フィルム中にレセプター感受性NIR吸収素色固定化UCNPsを包埋したかたちのNIR発光グルコースセンシングフィルムを開発した。このセンシングフィルムの応答機構は我々が独自に考案したものであり,また,UCNPsをグルコースの検出原理として用いるのは本研究が初めてである。 本研究で開発したセンシングフィルムは,皮膚組織の光学的妨害の少ないNIR励起光を照射し,異なる波長のNIR発光強度を測定する全く新しい機序に基づくものである。これにより,皮下に長期間滞留可能な光学的持続血糖測定システム(CGM) の実用化に大きく貢献でき,糖尿病患者への福音という波及効果も大きい。
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