研究課題/領域番号 |
19K05546
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
澤田 剛 鹿児島大学, 総合科学域総合研究学系, 准教授 (90240902)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 円偏光 / センサー / フォトクロミズム / ジヒドロピレン / トリ-s-トリアジン / トリ-s-トリアジン骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
円偏光は;、電場の振動が伝播に伴って円を描く偏光であり、回転の向きによっ て右円偏光と左円偏光がある。例えば、甲虫の羽の反射光が円偏光を示したり、光合成植物のクロロフィルが光合成の効率向上のために円偏光を利用しているなど、自然の中の様々な領域に円偏光が関与している。しかし現在の技術では、低強度の円偏光の検出・分析は困難です。本研究では;、円偏光を高感度で検出・評価できる新技術として、研究代表者の開発した、非対称な光応答性分子を利用することを研究します。照射する円偏光の向きに対応した光応答性分子の分子構造の変化を検出できれば、新しい円偏光センサー技術の基礎となることが期待されます。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、生化学分析や情報伝達技術への応用が期待される円偏光センシング材料として、3種類の不斉PZ-DHP類を合成した。これらを光学分割し、DFT計算により絶対構造を推定した。可視光(波長550nm)の左右円偏光を照射して、[S]-, [R]-光学異性体の光異性化反応の速度差が観測されたことから、円偏光センシング材料としての可能性を確認した。またこれらを塗布する光基盤材料についての評価も行なった。 これらは、2019年度から2021年度までに7件の 国内学会(2回は招待講演)、1冊の書籍にて報告し、2022年度に1件の国際学会、1件の国内学会、1報の学術論文として発表予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
円偏光は3Dディスプレイ技術などに応用されており、円偏光発光材料などの研究が活発に行われている。しかし、円偏光技術の発展のためには、円偏光の新しい検出技術の開発が不可欠であり、本研究では、光応答性を有する不斉な有機分子を円偏光センシング材料とすることで、円偏光を偏光フィルターなどによる減衰無しにダイレクトに捉える技術を研究した。その結果、研究代表者が合成した非対称ジヒドロピレン類を光学分割することで、ラセミ化が生じない[S]-, [R]センシング材料を開発し、これらが左右円偏光の照射に対して反応速度の差を生じることを確認した。この結果は新しい円偏光センシング技術の基礎となることが期待される。
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