研究課題/領域番号 |
19K05551
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
山口 敏男 福岡大学, 公私立大学の部局等, 研究特任教授 (70158111)
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研究分担者 |
吉田 亨次 福岡大学, 理学部, 准教授 (00309890)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | エアロゾル液滴 / 溶液構造 / ラマン散乱 / イオン溶媒和 / 超音波浮揚 / 過飽和 / イオン会合 / X線散乱 / 水和イオン / 電気力学天秤 / 液体構造 / 水 / 過冷却 / イオン対 / イオン水和 / 水構造 / EPSRモデリング / エアロゾル反応 / 結晶成長 / 結晶融解 |
研究開始時の研究の概要 |
エアロゾル液滴中で進行する化学過程を分子レベルで解明するために、超音波浮揚装置と液滴発生装置を組み合わせて、空気中に浮揚させた20~100ミクロンサイズの液滴のラマン散乱とX線散乱をin situで測定できる複合装置を開発する。ラマンスペクトルから液滴中の化学種の組成と濃度を定量し、温度を計測する。X線散乱データを基に二体ポテンシャルを改良したEPSR計算を行い、液滴のミクロ構造を決定し3次元的に可視化する。液滴のミクロ構造を室温から凍結温度まで決定することにより、過冷却微小水滴の凍結メカニズムや過飽和状態における氷晶の形成機構、雲粒形成・成長過程などのエアロゾル反応を解明する。
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研究成果の概要 |
超音波浮揚装置により空気中に浮揚させた直径1mmの液滴のラマン散乱とシンクロトロンX線散乱装置を開発した。硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸水溶液各液滴のラマン散乱測定から、液滴の濃度はバルクの数倍濃縮された過飽和状態であることを明らかにした。液滴からの結晶化過程の観測から析出した結晶を同定した。液滴のX線散乱データをEPSR計算により解析して、イオン溶媒和・会合、溶媒水の3次元構造を決定した。243Kまで測定できる低温チャンバーを制作して硫酸マグネシウム水溶液およびエチレングリコールー水混合溶液各液滴の過冷却状態におけるイオン溶媒和・会合・溶媒水の3次元構造を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では超音波浮揚法により空気中に浮揚させた1mmサイズの単一液滴のラマン散乱とX線散乱法を開発した。マイクロL単位の微小体積を対象とするので希少タンパク質や高価な溶液構造解析に適用できる。セルフリーのために溶液の過飽和・過冷却現象や、融解・結晶化現象の構造を決定できる。液滴にオゾンガスなどを反応させることにより、雲中のエアロゾル反応を構造化学に研究できる。本手法は、液滴のミクロ構造と物性を明らかにすることにより、分析化学、物理化学、地球化学、生物化学、大気化学における種々の化学プロセスを3次元構造から解明できる。地球温暖化などのエアロゾル由来の気候変動を研究する基礎的指針を提供する。
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