研究課題/領域番号 |
19K05553
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
星野 英人 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (20371073)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | VHH抗体 / セルロース / プロテアーゼ / RNase / 蛍光蛋白質 / 紙 / セルロースアダプター / 抗体活用技術 / 自己励起蛍光蛋白質(BAF) / 高感度 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸菌で産生でき、生分解性を備える“蛋白質”と、天然に豊富なセルロース繊維から構成される“紙”を用いて、環境負荷が最小で、かつ、VHH抗体の優位性を余すこと無く発揮し、かつ,従来技術よりも高性能なVHH抗体利用技術の基盤を確立する。ほぼ100%抗原に結合可能なVHH抗体の“紙”への担持技術とGFPを化学発光で光らせる独自技術を組合わせることで、従来のイムノクロマト手法だけに留まらない、将来の疾患早期発見検査手法に資する、VHH抗体の高度、並びに高感度活用技術の基盤を確立する。具体的には、膵がんやSARS感染症などの疾患の早期検査技術の基盤確立を目指す。
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研究成果の概要 |
我々の独自技術である-C-LinkをVHH抗体に適用し、より自由にVHH抗体を活用できるVHH抗体の汎用プラット-フォーム技術(VHH-C-Link)の開発とその高度化を試みた。具体的には、抗GFP VHH抗体をテストラインに配し、特異的アミノ酸配列を切断するプロテアーゼの活性を指標にしたプロテアーゼセンサー一体型ラテラルフローデバイスの開発と検討、並びに抗bRNaseA VHH抗体を用いてhRNase1を特異的捕捉し、そのRNA分解活性を指標にする、新しいVHH抗体の活用法の開発である。当該研究を通して、我々は、従来のIgG活用法に追従しない、新たなVHH抗体の活用可能性を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
VHH抗体は蛋白質工学的な改良が容易な点に利点があるにも関わらず、その優位性を従来技術では発揮できていない。当該研究では、極めてシンプルな原理に基づく、低コストで環境負荷が低い検査手法を検討した。それぞれの手法には更なる高度化の余地が残されるが、従来の抗体活用技術とは明確に一線を画すVHH抗体の新しい活用プラットフォーム基盤の提案には、学術的意義のみならず、大腸菌生産蛋白質とセルロース素材という安価で天然の素材の複合化による低コスト検査の可能性を示した点に、医療費を抑える必要性に迫られている、或いは環境負荷を意識せざるを得ない現代社会に対する社会的意義がある。
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