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温和な条件で水中硝酸イオンを選択的に窒素ガスに水素化する二元卑金属触媒の創成

研究課題

研究課題/領域番号 19K05562
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
研究機関富山大学

研究代表者

大澤 力  富山大学, 学術研究部理学系, 准教授 (60213683)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2020-03-31
研究課題ステータス 中途終了 (2019年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
キーワード硝酸イオン / 水素化 / Ni触媒 / 反応次数 / 燃焼合成法 / 二元卑金属触媒
研究開始時の研究の概要

農業・酪農活動などから生じた硝酸イオンなどの窒素化合物による地下水の汚染を除去するためには,これまで微生物を用いた方法が行われてきた。しかしながら,微生物を用いた反応の速度は通常の化学反応の速度と比較して遅い,大きい反応槽が必要である,処理後の余剰汚泥の処分が必要である,などの問題がある。そこで,固体触媒を用いた廃水の処理技術の開発が強く望まれている。本研究では,水中硝酸イオンの水素化において完全な窒素選択性をもつ触媒の開発を行う。卑金属であるNiを主金属とした固溶体・金属間化合物の触媒を調製し,組成・構造・結晶化度の制御を行い完全な窒素ガス選択性を達成する。

研究実績の概要

本研究は,卑金属であるNiを主金属とし,第二金属との固溶体・金属間化合物を触媒に用いた水中硝酸イオンの水素化で完全な窒素選択性をもつ触媒の開発,および窒素選択性向上の要因の解明を目的とする。研究計画当初は,2019年度に「窒素選択性の高いNi系固溶体・金属間化合物の探索」,2020年度以降に「候補化合物に対する形態制御方法の最適化」を行う予定であったが,研究代表者の大澤が2020年3月に退職することとなり,2019年度は「Ni系固溶体・金属間化合物の調製法の確立,硝酸塩の水素化における反応次数決定法の確立」に重点を置いて研究を行った。
「Ni系固溶体・金属間化合物の調製法の確立」については,燃焼合成法によりNi-Al合金を調製後,展開することによりNi触媒を得る方法の最適化を行った。その結果,Ar下,900 ℃,1時間焼成を行うことで,転化率の低下のないNi触媒を調製することに成功した。触媒のキャラクタリゼーションの結果,転化率の低下の抑制には,α-Al2O3の存在およびAl3Ni2より生成したNiの関与が示唆された。
「硝酸イオン・亜硝酸イオンの水素化における反応次数の決定法の確立」は,本年度は,触媒として還元Niを用いた。Ni触媒による硝酸塩の水素化では,硝酸塩の濃度が高いほど水素化速度が遅く,硝酸イオンと亜硝酸イオンの反応次数は負の値となった。硝酸塩がNi触媒表面へ強固に吸着することが明らかとなったが,これは既報のPd-Cu,Pt-Ni触媒と大きく異なりNi触媒のみが持つ特徴である。一方,水素の反応次数は1.2~2.3と大きい値を示し,Ni触媒表面上への水素の吸着は弱いことが明らかとなった。また,Ni触媒表面上では、硝酸イオンと水素の吸着部位,亜硝酸イオンと水素の吸着部位が同じであり,硝酸イオン及び亜硝酸イオンと水素が競争吸着することが明らかとなった。

報告書

(1件)
  • 2019 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Reaction orders of the hydrogenation of nitrate and nitrite in water over a nickel catalyst2020

    • 著者名/発表者名
      Y. Ogawa, A. Sodeno, M. Takatani, T. Osawa
    • 雑誌名

      Catalysis Letters

      巻: 150 号: 1 ページ: 291-300

    • DOI

      10.1007/s10562-019-02945-x

    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 還元ニッケル触媒による水中硝酸イオンの水素化反応における反応次数の解析2019

    • 著者名/発表者名
      小川 夕希奈,大澤 力
    • 学会等名
      2019年度 北陸地区講演会と研究発表会 P1-02
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書
  • [学会発表] 燃焼合成法により調製したニッケル触媒による水中硝酸イオンの還元2019

    • 著者名/発表者名
      大澤 力,倉澤 美穂
    • 学会等名
      第125回 触媒討論会A 1P40
    • 関連する報告書
      2019 実績報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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