研究課題/領域番号 |
19K05570
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34030:グリーンサステイナブルケミストリーおよび環境化学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
伊藤 賢一 日本大学, 理工学部, 准教授 (10373002)
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研究分担者 |
米田 哲也 日本大学, 理工学部, 教授 (00307802)
青山 忠 日本大学, 理工学部, 教授 (90349960)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | コアシェル型酸性磁性体 / 酸・塩基共存不均一系 / ワンポット合成 / 酸化鉄 / 塩基性高分子 / 複素環化合物 / チオフェン類 / イソオキサゾール誘導体 / コアシェル型磁性体 / 固体酸 / 触媒再生 / 触媒再利用 / チオフェン誘導体 / フラン誘導体 / コアシェル型磁性体触媒 / スルフィド / トリケトン / 不均一系反応 / 環境低負荷技術 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では始めに,磁性体(磁力に引かれる性質を有する物質)として酸化鉄をコア(中心核)に,スルホ基(酸性官能基)を有するケイ素等をシェル(外殻)とするコアシェル型酸性磁性体(固体酸)の作製を行う。次に作製した固体酸と陰イオン交換樹脂(塩基性基を有する固体塩基)を用い,酸・塩基共存不均一系(容器内に溶解しないでそれぞれが存在する状態)を構築して有用複素環化合物(薬の原料等になる物質)を簡便に合成する方法の開発を試みる。反応に使用したそれぞれの触媒は,ろ過や磁石を近づけるだけで簡単に分離及び回収が可能であり,さらにそれぞれ再生・再利用ができる。本合成の開発は,持続的社会の発展に資するものである。
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研究成果の概要 |
研究成果としては以下に示す2点が挙げられる。始めに,Naeimi らの報告を基に酸化鉄(Fe3O4)とオルトケイ酸テトラエチル(TEOS)を用いて酸化鉄をコアにシリカゲル(SiO2)をシェルとするコアシェル型磁性体(Fe3O4@SiO2)の合成を,続けてクロロ硫酸(HSO3Cl)を用いたシリカゲルのシラノール基のスルホ化によるコアシェル型酸性磁性体(Fe3O4@SiO2-SO3H)の合成を達成し,それを用いた有用複素環化合物合成の検討から触媒能を確認することができた。次に,目的反応であるチオフェン類のワンポット合成における塩基性高分子を利用したチオエステルの合成を確認することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
先に示した研究成果のうち,酸性磁性体触媒の触媒能の確認において医薬品の原料となり得る,また有機合成化学上有用な反応中間体として利用可能なイソオキサゾール誘導体の合成にそれが適用できたことは,触媒分離の簡便さや酸性能の簡易法による再生等の特徴を有する有用複素環化合物の新規合成法の開発につながるという学術的意義を有する。また前述の反応とともに,簡便な手法で再生・再利用が可能な塩基性高分子のワンポット合成への適用が確認できたことから,それらを組み合わせることによって新規な環境配慮型有機合成反応の提案につながるので,本成果が有する社会的意義は高いと考えられる。
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