研究課題/領域番号 |
19K05584
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
櫻井 敏彦 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (10332868)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | ペプチド核酸 / KRAS遺伝子 / アンチセンス核酸医薬 / ヒポキサンチン / 相補鎖形成 / KRAS遺伝子変異 / 一塩基多型 / 相補鎖形成挙動 / 点突然変異 / 難治性がん疾患 / 遺伝子発現抑制 |
研究開始時の研究の概要 |
1塩基認識能に優れたinchworm型ペプチド核酸(PNA)-ポリエチレングリコール(PEG)コンジュゲート(i-PPC)に複数の塩基(シトシン,アデニン,チミン)と塩基対を形成できるヒポキサンチンを導入し、KRAS遺伝子点突然変異を網羅的に認識することのできるアンチセンス分子を設計・合成する。さらに、合成したi-PPC(Hyp)のがん細胞内への輸送を試み、KRAS遺伝子変異性がん細胞の細胞死誘導効果について検討し、新規の遺伝子治療薬としての可能性について検討する。
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研究成果の概要 |
シトシン、アデニン、チミン、ウラシルと網羅的に塩基対を形成するヒポキサンチンを側鎖に有するPNAモノマーを合成し、oligo PNAとsynDNAとの相補鎖形成挙動を解析することにより,点突然変異に対応した核酸医薬への展開について検討した.この結果、G以外のC, A, Tの網羅的な相補鎖形成では,GGTとGTTのΔG(37℃)値の差が0.17 kcal/molと算出され、GとTの認識が困難であることがわかった.一方で,WT (GGT) とMT (GCT) との差は2.75 kcal/molと見積もられ,野生型がシトシンであるその他の1塩基変異性疾患への応用について展開できる可能性が示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
KRAS遺伝子のexon2codon12を中心とした多様な点突然変異はすい臓がんの90%、大腸がんの40%にみられ、がん疾患全体の約40%に生じる遺伝子変異である.この変異により,最新の分子標的薬(抗EGFR抗体薬)の薬効が期待できない問題点を引き起こすが、変異のパターンは多様であるため、それぞれに対応した核酸医薬を開発しなければならない.ヒポキサンチンがゆらぎ塩基として作用することに着目し、細胞内で正常な塩基配列とそれ以外の点突然変異群を識別する新たな核酸モデルの設計と物性評価は、多様な変異を網羅したアンチセンス型核酸医薬としての展開が可能となる.
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