研究課題/領域番号 |
19K05585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
平野 朋広 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 准教授 (80314839)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
|
キーワード | カチオン重合 / 溶媒和イオン液体 / ビニルエーテル / trans-アネトール / 立体規則性 / DOSY / RAFT / p-メトキシスチレン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,「従来のカチオン重合」では達成することが難しい反応制御に対して革新的手法を提案するものである. カチオン重合は古くからしられているが,ラジカル重合ほど工業的に応用されていない.成長カチオンの反応性が高いために,試薬の精製が必要であったり,重合温度を下げたりしないといけないためである. 本研究では,溶媒和イオン液体と成長カチオンとの相互作用を利用して,成長カチオンを特異的に安定化させた重合系の開発を目指す.試薬の精製や低温条件を撤廃できると期待できる. また,キラルな多座配位子を一成分とする溶媒和イオン液体と相互作用させることで,カチオン重合では難しいとされる立体特異性の誘起を目指す.
|
研究成果の概要 |
これまでアクティブ種とドーマント種との可逆的な平衡を利用して,幅広いモノマーの制御カチオン重合が達成されてきた.本研究では,Li塩とルイス塩基からなる溶媒和イオン液体による成長カチオン種の直接安定化を利用した制御カチオン重合系の開発を目的とした.具体的には,イソブチルビニルエーテルの高温カチオン重合,2,3-ジヒドロフランのカチオン重合における立体規制,単独重合性の乏しいtrans-アネトールの単独カチオン重合などを検討した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
カチオン重合ではH2Oなどの不純物が重合禁止剤として働くため,モノマーや溶媒などの試薬の精製が必要となる.また,ポリマー物性に大きな影響を及ぼす立体規則性をカチオン重合で規制することは難しい.本研究では,Li塩とルイス塩基からなる溶媒和イオン液体による成長カチオン種の直接安定化という新しい概念を提案し,試薬の徹底的な精製を必要としない重合系の開発に成功し,カチオン重合における立体規制の可能性を示唆する成果も得た.カチオン重合の新しい制御法を提案したと考えている.
|