研究課題/領域番号 |
19K05591
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35010:高分子化学関連
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
富永 昌英 徳島文理大学, 薬学部, 准教授 (60361507)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | インターロック化合物 / カテナン / 環状化合物 / 球状微粒子 / 分子集合体 / 包接結晶 / 溶媒効果 / 分散力 / 自己集合 / 結晶構造 / 動的挙動 / ロタキサン / 分子認識 / 環状分子 / 自己組織化 / ナノ材料 / 超分子化学 |
研究開始時の研究の概要 |
カテナン・ロタキサンなどのインターロック化合物は、分子センサー・マシーンなどの分子素子として注目を集めている。本研究における新規インターロック化合物群の合成の特徴は、1)一ステップで多数成分から生じる、2)駆動力として疎溶媒効果・分散力を活用する、3)官能基導入、ライブラリー化が可能である。これらをビルディングブロックとした多様な分子集合体(ソフト・ハードマテリアル)を作製する。分子レベルでの外部刺激によるインターロック化合物の立体構造や動的挙動変化をマクロサイズの超分子材料に変換することによる、各種物性の改変および新機能の創出に取り組む。
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研究成果の概要 |
ハロフェノールをもつ二置換アダマンタンと3,6-ジクロロ-1,2,4,5-テトラジンとの芳香族求核置換反応により、[2]カテナンを1ステップで合成した。条件検討の結果から、カテナン生成はアダマンタン部位に由来する疎溶媒効果が重要であることが示唆された。カテナンの部分構造であるV、C、U型分子を合成し、環状化合物との錯形成を行ったところ、C型分子が擬ロタキサン構造を形成することが示された。カテナンは、極性溶媒中で球状微粒子・ネットワーク集合体へと自己会合することが分かった。また、揮発性物質との結晶化から、ゲスト分子を包接した結晶が生成することから、ホスト分子として有用であることが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
独自に見出したアダマンタン誘導体の疎溶媒効果・分散力を活用して、カテナンなどのインターロック化合物の合成と、これを基盤とした球状微粒子の構築、揮発性有機化合物を包接可能な結晶性材料の開発の機能創出に取り組んでいる研究例は限られている。単一分子システムの動的挙動や分子認識能を、ナノからバルクスケールの複数分子システムへと適用することにより、化粧品、センサー、塗料、フィルムなどのマテリアルサイエンスの分野へと幅広く応用できる可能性がある。得られた成果は自己組織化化学や超分子化学などのナノサイエンスの分野、特にナノ微粒子や多孔質材料の研究領域に多様な知見と有意な波及効果をもたらすと考えられる。
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