研究課題/領域番号 |
19K05605
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
籔内 一博 中部大学, 工学部, 准教授 (80389155)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 超分子ゲル / 自己組織化 / 光二量化 / クマリン / 低分子ゲル化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
超分子ゲルは、水素結合などの弱い分子間相互作用を構造形成の基盤とするため、その形成は熱可逆的であり、刺激応答性などの動的な機能付与が容易であるという利点をもつ。その反面、共有結合を構造形成の基盤とする架橋高分子ゲルに比べ、熱安定性や機械強度に欠けるのが難点であり、応用展開の妨げとなる場合がある。本研究では、光により可逆的に二量体を形成する(=共有結合を形成する)分子をゲル化剤の重合基や架橋剤として利用することで、超分子ゲルの利点である構造形成の可逆性を失うことなく、その構造を共有結合を用いて可逆的に固定化し、安定化・高強度化する手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
クマリン部位の光二量化反応を利用して、超分子ゲル構造の可逆的な固定化手法の確立に取り組んだ。酒石酸塩およびアミノ酸誘導体をベースのゲル化剤骨格として、そのアルキル末端にクマリン部位を導入した低分子ゲル化剤の合成を行った。これらの化合物の有機溶媒に対するゲル化特性や光応答性を調べたところ、いずれの化合物も広範な有機溶媒をゲル化すること、光照射によりゲル化剤の分子集合体がクマリン部位の二量化により共有結合で連結し、ゲル構造の熱安定化が起こることを明らかにした。また、酒石酸塩の構成成分と市販の脂肪族アミンの溶液を混合することで、加熱することなく簡便にゲルが得られることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超分子ゲルは、温度変化によりゲル状態と溶液状態の間を制御できるなどの利点を有し、学術的興味だけでなく産業利用も視野に入れた研究開発が進められている。しかし、低分子化合物が形成する超分子ゲルの機械強度は、網目状の架橋高分子が作るゲルに比べ弱く、指で強くつまむ程度で崩れてしまうものも多いため、応用展開の妨げになる場合がある。本研究の成果は、超分子ゲルの利点を保ちつつ、その弱点である構造の脆弱性を克服するアプローチを提案し、超分子ゲルの新たな機能・用途創出に結び付くものである。
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