研究課題/領域番号 |
19K05612
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
三輪 洋平 岐阜大学, 工学部, 教授 (10635692)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | エラストマー / イオン / アイオノマー / 自己修復 / 引張試験 / 小角X線散乱 / ネットワーク / 強靭化 / ポリイソプレン / 結晶 / 分子量 / 動的架橋 |
研究開始時の研究の概要 |
柔軟なポリイソプレンの主鎖にカルボキシ基を導入し、それらを部分的にナトリウムで中和したイオン性エラストマーは、たとえば室温で傷が自発的に自己修復するなど、従来のエラストマーには見られない特異な機能を発現する。本研究では、分子量、カルボキシ基導入量、中和金属種などの、分子構造の違いがエラストマーの物性に与える影響を詳細に明らかにし、このエラストマーの機能発現メカニズムを明かにする。さらに、無機フィラーとのコンポジット化などによる、このエラストマーの高性能化についての研究をおこなう。
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研究成果の概要 |
シス体の幾何構造をもったポリイソプレン(PI)にカルボキシ基を付加し、それらをナトリウムカチオンによって中和したイオン性PIエラストマーについて、優れた力学強度と、室温での自発的な自己修復性の両立を目指して、その分子構造と物性の関係を詳細に調査した。まず、このポリマーの分子量とイオン基付加量に関して最適値を探索したが、どの様に変化させたとしても、力学強度と自己修復性の両立はできなかった。一方で、結晶性のトランス体の幾何構造をもったPIをごく少量混合した場合には、自己修復性を損ねることなく、力学強度を向上できることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
エラストマーは生物の皮膚のように優れた柔軟性や弾力を有する。もし、人工物であるエラストマーに生物の皮膚の様な自己修復性を付与できれば、エラストマーはそのパフォーマンスを長期間維持し、製品の長寿命化だけでなく、美しい外観の維持、安心・安全の担保、省資源・省エネなどにも大きく貢献できるに違いない。一方で、現状では、室温ですばやく自己修復するエラストマーは力学的に弱いという問題がある。本研究では、この問題を克服すべく、自己修復性のイオン性エラストマーについて、分子構造と自己修復性などのパフォーマンスの関係を詳細に調査し、より良い自己修復性エラストマーの設計のための有用な情報を得た。
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