研究課題/領域番号 |
19K05613
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
信川 省吾 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (50609211)
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研究分担者 |
林 幹大 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (70792654)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | ポリメタクリル酸メチル / ポリエステル / アゾベンゼン / 光異性化 / 脆性改善 / 光可塑化 / 分子運動 / 自由体積 / 脆性―延性転移 / ガラス転移 / 誘電緩和 / 引張強度 / 脆性-延性転移 / 透明材料 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、アゾベンゼンの光異性化を利用した脆性透明高分子の高靱性化が目的である。我々は、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)にアゾベンゼンを添加し、紫外光を照射すると、弾性率が低下することなく靱性が向上することを見出している。本研究では、アゾベンゼンの導入量、導入方法、光照射強度、などの条件を最適化することで、PMMAの高靱性化(破断ひずみ:10%→100%)を達成する。さらに、赤外分光‐応力同時測定、陽電子消滅寿命測定、動的粘弾性測定などの結果から、光誘起脆性-延性転移現象のメカニズムも解明する。
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研究成果の概要 |
本研究では、アゾベンゼンの光異性化を利用し、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)などの透明高分子材料の引張特性、熱機械特性の制御を目的として研究を行った。アゾベンゼンを少量添加したPMMAに紫外(UV)光を照射すると、破断ひずみが向上し、脆性が改善することがわかった。これは、アゾベンゼンのtrans-cis異性化によるPMMA側鎖の運動の加速が鍵であることが判明した。一方、PMMA側鎖にアゾベンゼンを導入すると、UV光照射による脆性改善と合わせて、高い引張強度も達成された。また、主鎖中にアゾベンゼンを導入したポリエステルで検討したところ、UV光照射によるガラス転移温度の大幅な低下が確認された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、汎用樹脂の中でもガラス代替材料として注目されているアクリルやポリエステルに着目し、その機械特性の向上を目指して研究を行った。得られた成果は、紫外光を照射することで引張強度や熱機械特性が制御できるというものであり、材料の耐久性だけでなく、成形加工技術にも応用が期待できる点で、社会的な意義が大きい。また、アゾベンゼンの光異性化反応がどのようにしてマトリックス高分子の機械特性に影響するのか、分子運動の観点から明らかにした研究はほとんどなく、新しい学術的発見も示したと考えられる。
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