研究課題/領域番号 |
19K05616
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
井澤 浩則 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (50643235)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | リンクル / ポリイオンコンプレックス / スキン層 / キトサン / バンプス / カラギーナン |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は、アニオン性高分子によるキトサンフィルム表面のイオン架橋で生成する『イオン架橋型スキン層』が、様々な形態やサイズのリンクル表面を誘起することを発見した。リンクルの形態とサイズは、スキン層の特性(構造、弾性率、厚み)に依存することが知られているが、この系でのこれらの関連性は未解明である。そこで、本研究ではイオン架橋型スキン層が誘起するリンクルの形態とサイズを制御する方法論の確立を目的に、『スキン層の弾性率と厚みがリンクルサイズに及ぼす影響』と『スキン層の構造がリンクル形態に及ぼす影響』を解明する。
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研究成果の概要 |
ポリイオンコンプレックススキン層がキトサンフィルム表面に誘起するリンクルの形態とサイズを制御する方法論の確立を目的に、様々なアニオン性高分子を用いて得られるフィルムの形態とサイズについて研究を行った。アニオン性高分子の種類により生成するスキン層の硬さが異なり、スキン層の硬さが上がるにつれてリンクルサイズも大きくなることが明らかになった。つまり、適切なアニオン性高分子の選択によるスキン層の硬さの制御が重要であることが分かった。水中で二重らせん構造を形成するκ-及びι-カラギーナンを用いると、それぞれ、階層的なリンクル及びバンプスが生成することを見出し、そのメカニズムの解明にも成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、乾燥によって生成するリンクルのスキン層の影響を系統的に評価した世界初の知見であり、学術的価値が高い。 本研究で確立した手法は、フィルム表面をイオン架橋するだけの極めてシンプルなプロセスであり、リンクル材料の応用拡充に向けた大きな波及効果が期待できる。 本研究で得られたフィルムは、生体高分子であるキトサンをベースとした材料であり、微細構造の機能を活かした創傷被覆材、生体接着剤、細胞培養基材などバイオマテリアルへの活用が期待できる。
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