研究課題/領域番号 |
19K05629
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志津 功將 京都大学, 化学研究所, 助教 (10621138)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 遅延蛍光 / 一重項励起子分裂 / 項間交差 / 逆項間交差 / 内部転換 / 多電子励起配置 / Fermiの黄金律 / 有機EL / 速度定数 / 振電相互作用 / スピン軌道相互作用 / 熱活性型遅延蛍光 / 多重共鳴 / 一重項分裂 / テトラセン |
研究開始時の研究の概要 |
一重項励起子分裂(SF: Singlet Fission)を示す材料は、有機デバイスの特性を飛躍的に高められる効果を持つ材料として注目されている。SFを効率よく起こす材料を実現するためには、励起子間に働く振電相互作用を制御する分子設計が有効であると予想される。 本研究では、励起子間に働く振電相互作用を計算するための理論化学手法を開発することで、振電相互作用を制御して高効率なSF材料を開発するための分子設計指針を確立する。 本研究により高効率なSF材料を開発するための分子設計指針を確立することができれば、その成果は、従来の理論限界を超える特性を示す新機構有機デバイスの創出に貢献できると期待される。
|
研究成果の概要 |
有機材料中では様々な電子状態が共存し、それらの間で発光(蛍光、りん光)と熱失活(内部転換、項間交差)が起こっている。発光効率をはじめとする有機材料の各種物性値は、電子遷移の競合により決まる。全ての電子遷移について、速度定数を高速かつ定量的に予測することができれば、有機分子の励起状態に対する網羅的な理解を可能とするのみならず、高速かつ高精度な有機材料探索手法をも実現できる。 本研究課題では、その第一歩として、蛍光、りん光、内部転換および項間交差の速度定数を高速かつ定量的に計算できる理論手法を開発した。本手法を様々な有機材料に適用することで、実験で得られた各種速度定数を再現することに成功した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
分子構造をインプットとして、全ての発光・熱失活過程について、速度定数を高速かつ定量的に計算できれば、励起状態からの失活過程や発光特性を高精度に予測し、材料探索のスピードを大幅に加速できる。このようなコンセプトに基づいて、本研究課題では、蛍光、りん光、内部転換および項間交差の速度定数を高速かつ定量的に計算できる理論手法を開発し、実際の有機エレクトロニクス材料(有機EL材料、有機太陽電池材料)に適用することで、計算手法の妥当性および実用性を実証した。 本研究課題の成果は、材料開発のスピードを大幅に加速し、我が国の材料開発競争力の強化に波及すると考えている。
|