研究課題/領域番号 |
19K05638
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 奈良工業高等専門学校 |
研究代表者 |
松浦 幸仁 奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (00416322)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ポリシラン / メタクリル / 共重合体 / スピン伝導 / 非平衡グリーン関数法 / ランダウアモデル / メタクリレート / 光重合 / メタクリルモノマー / 光化学反応 / 強磁性金属 / ハイブリッド / トンネル磁気抵抗 / 量子化学計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本計画は、電力不要で記録を保持できるノーマリーオフコンピューティングシステム構築の鍵となる電子材料に関する研究である。その材料としては、直鎖状にケイ素原子が連結して形成されたポリシランに対して、我々が独自に開発した光重合法を用いて両末端を官能基で修飾する。このポリマーを強磁性電極間にサンドイッチ状に配置したハイブリッドを形成する。さらに、磁場により電流値がコントロールされるトンネル磁気抵抗(TMR)効果を計測する。ポリシランはTMR素子に適した性質を持つことを既に申請者が量子化学計算で予測しているので、本研究ではそれらを合成して電気伝導を測定し、電気伝導のメカニズムを解明する。
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研究成果の概要 |
本研究計画では、ポリメチルフェニルシランとメタクリルモノマーとの共重合体の合成に関する研究開発を行った。単一分子の電気伝導の測定ではπ共役系分子において、数10%のMR比を持つことが実験的に確認されている。ケイ素原子が直鎖状に連結して形成されたポリシランはπ共役系分子同様に主鎖内に非局在化した電子が存在する。 本計画ではTMR素子に応用できる化学構造を持つポリシラン‐メタクリル共重合体の合成し、この材料のTMR素子への応用の可能性を検討することを目的とした。その合成法としては、我々が開発した方法である、ポリシラン自体を光重合開始剤に用いてポリシラン‐メタクリル共重合体を合成する方法を用いた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究を遂行してポリシラン‐メタクリルブロック共重合体の化学構造を厳密に制御することが可能になり、ポリシランのトンネル磁気抵抗素子への応用の可能性をさらに高めることに成功した。また、量子化学計算により、らせん構造を持つ分子が高いスピン分極を誘起することが明らかになった。これを応用するために、メルカプト基をもつ有機分子とのエン‐チオール反応により、この有機分子とポリシランの間にS-C結合を形成して、ポリシラン‐有機分子のハイブリッド薄膜を形成することに成功した。タンパク質の中にはチオール基があることから、この共重合体はタンパク質との結合を形成するのに応用できることが明らかになった。
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