研究課題/領域番号 |
19K05639
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 新居浜工業高等専門学校 |
研究代表者 |
高見 静香 新居浜工業高等専門学校, 環境材料工学科, 教授 (70398098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | フォトクロミズム / 光反応量子収率 / 熱安定性 / 蛍光量子収率 / 光応答性分子 / 蛍光 / 発光材料 / 光反応性 / 蛍光材料 / 光閉環反応量子収率 |
研究開始時の研究の概要 |
従来の6π環状系フォトクロミック分子は AEA,AAA,AEEタイプ(Aはアリール部位、Eはエテン部位である)が主流である。本研究では、系統的に新しい6π環状系フォトクロミック分子を合成しその光反応挙動と熱的安定性を明らかにする。最初にAAEタイプの新しいフォトクロミック分子に着目して研究を行う。これらは①光閉環反応量子収率の向上が期待できる、②着色体吸収波長の短波長化が可能であることである。更には、分子改良したAEE(2)タイプにも着手する。これらのフォトクロミック分子を活用して、①黄赤青色に発色するフルカラー表示インク材料や、②光を当てると酸や塩基を発生する材料への応用も目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、6π電子環状系フォトクロミック分子の光反応性について、分子を構成する部位の配列との相関性を明らかにすべくAAE型とAEE型フォトクロミック分子に着目した。①AAE型フォトクロミック分子では、分子内相互作用により高い光反応性を保持させることができた。更に、両異性体から蛍光を発することで、有機EL素子や蛍光マーカ材料への応用につながる成果となった。②黄色の安定なフォトクロミック材料を得るためにAEE型骨格にも着目した。高い光転換率を示し、黄色の着色体は十分に光安定で、熱退色は見られなかった。以上より、AとEの配列を組み替えることで特異的機能を持つフォトクロミック分子合成に繋がると考える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究結果より、AAE型分子はフォトクロミズムに伴い蛍光色が変化し、両方の異性体より異なる蛍光を発することを見出した。これは、類似骨格のAAA型やAEA型には見られない特徴であり、原因究明にはまだ解明していくべき点が多々ある。本研究は、「6π電子系分子の光反応性は分子を構成する共役部位の種類や組合せに依存し相関性が導ける」という学術的意義を示した内容である。また、光反応性を制御できるフォトクロミック分子合成の知見が分子骨格の配列から得られると、特異的機能を有する光機能性有機分子合成に繋がり、その波及効果は理論化学、構造有機化学、有機物性化学、有機機能材料化学等、多くの分野に及ぶと予想される。
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