研究課題/領域番号 |
19K05641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分35030:有機機能材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
江口 美陽 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 主任研究員 (10520778)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 層状アルミノシリケート / 吸着 / 電子分布 / 層状ケイ酸塩 / 有機分子 / 電荷分布 / ポルフィリン / 酸化還元電位 / 酸化還元性分子 |
研究開始時の研究の概要 |
応募者は最近、層状ケイ酸塩表面が鉄錯体分子の酸化還元電位を低下させる現象を見いだ すことに成功した。もしこれがある範囲の分子に見られる一般的な現象であれば、分子の酸化還元電位の制御法として通常行われる「置換基導入(有機合成反応)」を「ケイ酸塩の添加」というよりシンプルな手法に替える可能性を提案できる。そこで、「ケイ酸塩表面における分子の酸化還元電位変化」をより効果的に引き出す方法論を確立することが学術的に重要であると考え、これを本研究の目的とする。
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研究成果の概要 |
層状アルミノシリケート表面におけるカチオン性ポルフィリンの電荷分布を、吸光光度法・固体NMR測定法・X線光電子分光法より観察し、加えて理論計算を行った。これにより、層状アルミノシリケート表面の負電荷などの影響で吸着分子に誘電分極が引き起こされ、電荷分布が大きく変化することを確認することができた。研究代表者はこれまでに金属錯体の酸化還元電位が層状アルミノシリケート表面への吸着により低下することを見出していたが、本研究により同様の効果が分子性のカチオンにも及ぶことを明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
層状アルミノシリケートは地球上に遍在するもので、環境負荷の低い安全な材料である。さらに原子レベルでの平滑さと可視域での透明性を有し、分子との複合化とそれによる機能制御に対しても有利である。この材料を有効活用するためにこれまで研究対象となっていない機能を観察した。具体的には、層状アルミノシリケート表面が酸還元特性を含む分子の物理化学的特性を変化させる可能性について検討を行った。この結果、カチオン性ポルフィリンは層状アルミノシリケート表面の負電荷等の影響を受け大きく分極していることが明らかになった。これにより有機化学反応性を向上させる効果があることも確認した。
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