研究課題/領域番号 |
19K05647
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
小林 亮 名古屋大学, 未来材料・システム研究所, 准教授 (50613395)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 酸化チタン / 形態制御 / ナノ材料 / 誘電率 / 異方結晶成長 / 伝導率 |
研究開始時の研究の概要 |
本課題では、走査型プローブ顕微鏡を利用し、酸化チタンナノ粒子の単粒子機能評価を実施する。申請者が開発した手法により、異方成長した4種類の酸化チタン多形ナノ粒子を合成し、電子顕微鏡観察、Raman分光測定、第一原理計算などにより得られた粒子の歪みの評価と特性評価を合わせて行うことで、高次構造制御(形態と結晶型の同時制御)による歪み=局所構造変化が電気的特性に与える本質的な影響を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、様々なアスペクト比を有するルチル型およびブルッカイト型酸化チタンナノロッド結晶の合成に成功した。圧粉体の交流インピーダンス測定から、ルチル型では誘電率が増大するアスペクト比のしきい値が存在することが示唆された。ブルッカイト型では、アスペクト比が小さいほうが高誘電率を示す傾向が観察された。走査型プローブ顕微鏡を用いたナノロッドの電気化学特性評価では、応答は観察されたものの、正確な誘電率算出には至らなかった。目標であった形態と機能の関係調査においては一定の成果が得られ、単粒子に対する誘電特性評価においては次につながる大きな進展が見られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ナノ粒子の機能が形態により変化することは報告されているものの、その本質を調査した研究は僅少である。本研究ではこの難題に挑み、酸化チタンをモデル化合物として選択し、異方成長と機能の関連を調査した。結果、異方成長により歪みが生じることや電気的特性との関連をある程度明らかにするとともに、ナノロッド1つの電気化学特性評価に対して一定の指針を示すことができた。これらナノ粒子の形態と機能に関して蓄積された基礎的な知見は、今後、よりポテンシャル高い化合物への応用が期待できることから、学術的・社会的な意義は十分にあったといえる。
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