研究課題/領域番号 |
19K05649
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
道見 康弘 鳥取大学, 工学研究科, 准教授 (50576717)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | リチウム二次電池 / 負極 / ケイ素 / リンドープ / シリサイド / コンポジット化 / イオン液体 / ケイ素系電極 / 金属ケイ化物 / コンポジット / 体積膨張 / ケイ素系負極 / 不純物元素ドープ / 電極/電解質界面 / 軟X線発光分光法 / イオン液体電解液 / 電極-電解質界面 / 反応挙動解析 / ガス・デポジション法 |
研究開始時の研究の概要 |
Siは次世代のリチウム二次電池用高容量負極としては極めて魅力的であるが,充放電反応にともなう大きな体積変化に起因して乏しいサイクル寿命しか示さない.これまでにある種のイオン液体電解液中におけるSiの過度な体積膨張の抑制,およびSiへの不純物元素のドーピングによるSi内のLi+拡散係数の向上がサイクル性能の改善に寄与することを見出してきたが,その詳細は未だ十分に解明されていない.当該研究では顕微鏡,分光法,および計算化学など種々の解析に基づき上記のサイクル性能向上のメカニズムを明らかにする.また,解析結果に基づき新たなSi系材料の開発指針を示すとともに自ら材料合成にも取組む.
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研究成果の概要 |
Si系負極の性能向上あるいは劣化のメカニズムを種々の分析法により徹底的に調べた.早期に劣化したSi電極では膨張率の大きなLi-Si合金相がSi層に不均質に分布していたのに対して,良好な性能を示したP-doped Si電極ではSi層中のLi濃度分布が均質であった.Liの分布が不均質だと大きなひずみが局所に蓄積され電極崩壊が起こり乏しい性能しか得られなかったと考えられる.上記の結果は本研究において独自に考案したSiに特化した解析法に基づいて得られた.また,シリサイド電極および金属ケイ化物/Siコンポジット電極の反応挙動を解明し,得られた知見に基づいて材料創製を行い良好な性能を得ることに成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究ではリチウム二次電池用Si系負極の反応挙動を徹底解明した.得られた成果に基づき新たな材料設計指針も得られており,一部については実証した.これまで推測の域を超えなかったことを実験事実に基づいて立証した点は学術的に大変意義深い.本研究成果は高エネルギー密度,長寿命,高い安全性および高速充放電性能を兼ね備えた高性能リチウム二次電池を構築するうえで大変重要であり,脱炭素社会の実現に向けて大きく貢献する.
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