研究課題/領域番号 |
19K05650
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大久保 貴広 岡山大学, 自然科学学域, 准教授 (30385554)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 窒化ホウ素 / セラミックス / ナノ空間 / 多孔体 / 吸着 / ガス吸着 / ナノ細孔 / ミクロ孔 / メソ孔 / 鋳型法 / ナノスペース / 触媒 / 小分子活性化 |
研究開始時の研究の概要 |
窒化ホウ素(BN)はホワイトカーボンと称されることもあり、多くの高比表面積材料が知られている炭素材料と構造的に類似している点が多い。しかし、電気伝導度などの性質は両者で全くことなる上に、高比表面積を誇る細孔性BNに関する知見は極めて乏しい。更に、BN材料の表面は原子レベルでみると電荷の偏りがあり、通常の炭素材料とは全く異なる物理化学的性質を発揮する可能性が高い。本研究では、10億分の1メートル程度よりも更に小さな細孔(サブナノ孔)を有するBN材料の新規創製手法を開発し、窒素をはじめとする安定な分子の吸着、固定化、或いは全く新しい反応を誘起するための触媒材料として利用するための礎を築く。
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研究成果の概要 |
本研究では炭素材料と等電子の関係にある窒化ホウ素(BN)を壁材としたミクロ孔性材料(p-BN)の創出と触媒への展開を指向した研究を実施した。鋳型を用いることなく適切な出発物質からミクロ孔とメソ孔とから構成されるp-BNが得られ、大気下における熱酸化耐性が炭素材料よりも格段に優れていることを見出した。また、得られたp-BNは炭素材料よりも窒素分子に対する相互作用が強いことを示す実験結果を得ることに成功し、新たな吸着材料および触媒担体として利用できる可能性を開拓した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とした細孔性窒化ホウ素は、炭素材料の一つである活性炭と構造的に非常に類似しているにも関わらず、炭素材料よりも大気中での熱酸化耐性に優れ、また、窒素ガスに対する親和性が高いなど、細孔性窒化ホウ素の新たな用途開拓の基礎となる研究成果を見出した。原子レベルの不均一表面が発現するユニークな特徴である点は学術的に興味深い。今後は、幾つかの課題を解決しつつ、高耐久性を誇る吸着材料や触媒担体としての応用利用に向けた基礎データの蓄積と新たな材料創製手法の開発を中心に研究を展開する。
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