研究課題/領域番号 |
19K05651
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
喜多條 鮎子 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (50446861)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | Liイオン電池 / 負極材料 / 炭化物 / 炭化鉄 / 負極 / リチウムイオン二次電池 / 負極活物質 / 金属炭化物 |
研究開始時の研究の概要 |
Liイオン二次電池は高いエネルギー密度を有する反面、その安全性は確保されているとは言えないのが現実である。安全性向上を目指し、Li金属析出電位よりも高い作動電圧を持つ新規負極材料の開発が必要である。 本課題では、鉄鋼の強度に大きく寄与している炭化鉄(Fe3C)の充放電反応機構の解明だけでなく、この結果を基に新規カーバイト負極の設計・開発の糸口を見出していく事を目的としている。 さらに、一般的にFe3Cは硬く、電極材料として利用するために最適な粒子サイズへ調整することが難しいため、工業化に向けたFe3C単相合成手法の開発についても同時に検討することにより、Fe3C負極の実用化に向けた検討を進める。
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研究成果の概要 |
Liイオン二次電池の安全性を改善する一つの方法として、Li金属析出電位よりも高い作動電圧を持つ新規負極材料の開発が必要である。鉄鋼の強度に大きく寄与している炭化鉄(Fe3C)のLiイオン二次電池負極としての充放電反応機構の解明だけでなく、この結果を基に新規カーバイト負極の設計・開発の糸口を見出していく事を目的としている。その結果、Fe3C負極とLiイオン間の反応では、Fe3Cの結晶構造や鉄の電子状態には全く影響がないことが明らかとなった。このことから、Fe3Cの結晶構造へのLiイオンのインサーション反応ではなく、Fe3C表面上などでのLiの溶解析出による反応である可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Liイオン電池の高安全性と高容量を同時に達成する新規負極材料として、炭化鉄に着目し検討を進めてきた。その結果、これまで知られている結晶構造へLiイオンの挿入脱離や体積変化が大きい合金化反応による電池反応ではなく、Fe3CはLi金属の溶解析出をスムーズに引き起こすために機能している可能性が示唆された。この反応は、電池分野だけでなく、触媒材料などとしても利用できる可能性を秘めているものと期待できる成果であると考えられる。
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