研究課題/領域番号 |
19K05653
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
稲田 幹 九州大学, 中央分析センター(筑紫地区), 准教授 (40624979)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 水熱合成 / 水酸基化学 / 特異結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
水熱合成酸化物中の過剰なOH基が特異結晶の生成を促す可能性に着目し、OH基による結晶生成制御、すなわち、ヒドロキシエンジニアリングという新規分野の確立を目指す。従来、水熱合成では生成物に取り込まれたOH基は結晶性の低下を誘起する欠陥であるとされてきたが、BaTiO3水熱合成に関する研究で、生成物への過剰なOH基の導入により正方晶の柱状結晶粒子が生成することを見出した。TiO2系でもOH基が準安定結晶の生成に寄与する可能性が示唆された。本研究ではBaTiO3とTiO2に焦点を絞り、結晶安定化に対するOH基の寄与を明らかにし、核生成・成長反応を制御してOH基を意図的に導入し、特異結晶の発現を狙う。
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研究成果の概要 |
本研究では水熱合成酸化物中の過剰なOH基が特異結晶の生成を促す可能性に着目し、OH基による結晶生成制御、すなわち、ヒドロキシエンジニアリングという新規分野の確立を目指した。 ①結晶内部の水酸基は必ずしも排除される対象ではないこと、②系として安定に酸水酸化物を導入することで特異結晶が得られる可能性があること、③酸水酸化物はオストワルド段階に従って安定相である酸化物に結晶成長すること、を明らかにした。計算科学との協働により、OHが結晶内に取り込まれても安定構造を示すことを明らかにし、さらに、機器分析的な構造解析によりそれを実証できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
水熱合成物中のOH基に着目し、結晶相との関連を明らかにした研究はこれまでになく、 “嫌われ者のOH基が役立つ”という申請者独自の発想である。本研究が達成できれば、OH基を活用した酸化物結晶の新規創製技術の拡大につながる。また、柱状結晶形態を活かした特殊フィラーとしての応用、OH基導入によるプロトン伝導性の発現、親水性付与による吸着特性の変化など、その材料系で見られなかった機能の発現が期待でき、波及効果は大きいと期待される。
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