研究課題/領域番号 |
19K05660
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
内山 弘章 関西大学, 化学生命工学部, 教授 (10551319)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バイオミネラリゼーション / 溶液プロセス / 結晶材料 / ナノ構造 / 構造色 / セラミック膜 / ナノ構造制御 / 結晶成長 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、“バイオミネラリゼーションを模倣したソフト溶液プロセス”による新規な無機ナノ結晶集積体の創製を試みる。貝、珊瑚、真珠などの生物が作り出すバイオミネラルは、無機のナノ結晶が結晶方位を完全に揃えて集積し、かつ、その規則性を維持したまま手に持てるようなバルク体レベルにまで成長した階層的なナノ構造を有している。この知見を基に、生体内で行われるバイオミネラリゼーションに環境を近づけた新たな結晶成長プロセスを構築し、バルク体レベルの無機ナノ結晶集積体(対象物質:SnO)の作製を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究では、“生体由来の有機成分であるバイオポリマー”と“準安定相(中間体)”を含んだ「バイオポリマーマトリクス」中での結晶成長によって、三次元的なナノ構造を持つ無機バルク体の作製を目指した。 期間全体を通じて、バイオミネラリゼーションを模倣したソフト溶液プロセスによりWO3・H2OおよびWO3ナノ構造体の作製に成功した。また、Mn系リン酸化合物において、長期間、水溶液中での結晶成長を促すことで、ミリメートルスケールに成長した単結晶が得られることを見出した。これらは、生物に倣った水溶液プロセスによって「バイオミネラル類似の階層的ナノ構造を有するバルク体の作製」を目指す上で、重要な知見である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物を模倣した水溶液プロセスにより、階層的ナノ構造を有するWO3粒子および薄膜の作製が可能となった。また、長期間の結晶成長により、遷移金属リン酸塩の単結晶をミリ・センチメートルスケールまで成長させることが可能となった。 国内外を問わず、バイオミネラリゼーションの模倣に関する研究において、生体には含まれない“遷移金属化合物”において、バルク体レベルにまで成長したバイオミネラル類似体の作製に成功した例はない。本課題で得られた成果は、「階層的ナノ構造を有するバルク体の作製」を目指す上での重要な知見であり、ナノ材料分野において学術・工業両面での大きなブレイクスルーとなることが期待できる。
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