研究課題/領域番号 |
19K05662
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36010:無機物質および無機材料化学関連
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研究機関 | 岡山理科大学 |
研究代表者 |
草野 圭弘 岡山理科大学, 工学部, 教授 (40279039)
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研究分担者 |
福原 実 岡山理科大学, 工学部, 特任教授 (20150815)
牧 涼介 岡山理科大学, 工学部, 助教 (30881693)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | セラミックス / 微構造 / 備前焼 / 色彩 / 電子顕微鏡 / 陶磁器 / 結晶 / 酸化鉄 / イプシロン酸化鉄 / アルファ酸化鉄 / スピネル / 紫蘇 / 紫蘇色 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、これまで研究対象とされてこなかった「やきもの」の模様の微構造と形成過程を材料化学的観点から解明し、模様を再現し、得られた成果を基に新たな材料開発法を見出すことを目的としている。備前焼は、釉薬を施さずに焼かれるが、焼成後の作品の表面には様々な色模様が現れる。本研究では、登り窯で焼成された備前焼に現れる紫蘇色と称される茶褐色や赤紫色の微構造と色調の関連を明らかにし、模様を人工的に再現するだけでなく、模様部に生成する結晶相を合成し、工業材料への応用を試みる。
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研究成果の概要 |
日本を代表する伝統工芸である備前焼は、薪を燃料として登り窯で焼かれる。焼成後の備前焼表面に現れる茶褐色部には、デンドライト状のAl置換イプシロン酸化鉄が生成していることを見出した。登り窯による焼成でのみ現れていた茶褐色を、電気炉にて、薪の代替物質として炭酸カリウムを用い、Ar/CO=90/10 (vol%)の混合ガスを電気炉に導入して焼成することで再現することに成功した。更に、鉄を含むカリガラスからイプシロン酸化鉄を合成することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
登り窯で焼成した備前焼の表面にのみ現れる茶系色の微構造を解明しただけでなく、呈色メカニズムを解明し、電気炉による焼成で再現することに成功した。薪の燃焼による二酸化炭素排出量の削減にもつながる成果である。更に、得られた結果を基に、先端材料の合成に応用することに成功した。伝統技術の中にも材料開発につながる有益な情報が含まれていることを明らかにした。
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