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布繊維の高温処理で得られる炭化繊維膜の水処理プロセスへの応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19K05665
研究種目

基盤研究(C)

配分区分基金
応募区分一般
審査区分 小区分36020:エネルギー関連化学
研究機関信州大学

研究代表者

清野 竜太郎  信州大学, 学術研究院工学系, 准教授 (90214915)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2022-03-31
研究課題ステータス 完了 (2021年度)
配分額 *注記
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
キーワード膜蒸留 / 海水淡水化 / 炭化繊維膜 / 炭素化繊維膜 / 随伴水 / 多孔質膜 / 水処理 / 膜分離
研究開始時の研究の概要

絹やキュプラ等の布繊維を高温で炭化処理すると、布繊維が元来有する高い多孔性を維持したまま、非常に疎水性の高い炭化繊維材料が得られる。本研究は、これらの材料を利用した海水、随伴水の淡水化プロセスの構築を最終目標とし、炭化前の繊維材料の種類や布の編み方、炭化処理温度等の炭化条件が、得られる炭化繊維材料の疎水性の程度や多孔度等の材料物性にどのような影響を与えるかや、炭化繊維材料が膜蒸留用の疎水性多孔質膜としてどのような性能を示すかを調査し、加えて、この炭化繊維膜に親水性膜を複合化した膜を使用した膜蒸留による、随伴水のワンステップ淡水化プロセスの構築について検討を行うものである。

研究成果の概要

天然繊維の絹や合成繊維のキュプラ等の布繊維を高温で炭化処理すると、布繊維が元来有する高い多孔性を維持したまま、非常に疎水性の高い炭化繊維材料が得られる。海水、随伴水の淡水化プロセスの構築を最終目的とし、これらの膜がどのような膜蒸留性能を示すかを調査した。
その結果、従来膜蒸留に利用されるポリフッ化ビニリデン膜と比較して、炭化繊維膜は非常に高い撥水性を示すことを確認した。3wt% NaClを供給液とした膜蒸留測定では、炭化繊維膜はPVDF膜より5倍程度高い透過流束が得られた。親水性を付与した複合膜の膜蒸留では、油分の透過はほとんど観測されなかった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

膜蒸留は、工場等で発生する廃熱を熱源として利用できれば、膜上に廃熱で加温した塩水を循環させるだけで塩水から淡水が得られる極めて省エネルギーなプロセスである。今回提案した炭化繊維膜はその高い疎水性と多孔性のため、従来、膜蒸留に利用されている多孔質ポリフッ化ビニリデン膜よりもはるかに高い透過流束を示し、その高い塩除去率から、新たな膜蒸留用の膜としての大きな可能性を示した。大きなエネルギーを供給することなく海水や随伴水から水のみを回収できれば、経済的な効果も非常に大きいと予想される。

報告書

(4件)
  • 2021 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2020 実施状況報告書
  • 2019 実施状況報告書
  • 研究成果

    (13件)

すべて 2021 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (11件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] ポリジメチルシロキサン膜の多孔構造制御と低圧膜ろ過による有機溶媒回収2021

    • 著者名/発表者名
      清野竜太郎
    • 雑誌名

      膜

      巻: 46 ページ: 209-214

    • NAID

      130008077394

    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] ポリジメチルシロキサン膜の多孔質構造に与える孔形成剤の影響と低圧膜ろ過によるインク溶液からの溶媒回収2020

    • 著者名/発表者名
      清野 竜太郎, 松木 達, 関 徳明, 錦織 広昌
    • 雑誌名

      環境化学

      巻: 30 号: 0 ページ: 100-106

    • DOI

      10.5985/jec.30.100

    • NAID

      130007867638

    • ISSN
      0917-2408, 1882-5818
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 疎水性多孔質膜を利用した膜蒸留と低圧膜ろ過2021

    • 著者名/発表者名
      清野竜太郎, 松木達, 河村晃輝, カデンエン
    • 学会等名
      日本膜学会第43年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 疎水性多孔質膜および親水/疎水性複合膜の膜蒸留性能2021

    • 著者名/発表者名
      河村晃輝, 梶田浩平, 清野竜太郎
    • 学会等名
      日本海水学会第72年会
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 陽イオン交換膜の抵抗が膜容量性脱イオンの脱塩性能に与える影響2021

    • 著者名/発表者名
      坂田拓海, 清野竜太郎
    • 学会等名
      日本膜学会膜シンポジウム2021
    • 関連する報告書
      2021 実績報告書
  • [学会発表] 炭素化繊維由来の疎水性多孔質膜を用いた膜蒸留2020

    • 著者名/発表者名
      梶田浩平、下里光司、清野竜太郎
    • 学会等名
      膜シンポジウム2020
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 活性炭素電極を用いた容量性脱イオンと膜容量性脱イオンにおける脱塩性能2020

    • 著者名/発表者名
      坂田拓海、清野竜太郎、谷岡明彦
    • 学会等名
      第58回高分子と水に関する討論会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 陽イオン交換膜の性質が膜容量性脱イオンの脱塩性能に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      坂田拓海、塩冶一馬、清野竜太郎
    • 学会等名
      日本膜学会第42年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] 活性炭素繊維電極を用いた容量性脱イオンにおける脱塩性能の経時変化2020

    • 著者名/発表者名
      坂田拓海、塩冶一馬、川端優希、清野竜太郎
    • 学会等名
      2020年度日本海水学会第71年会
    • 関連する報告書
      2020 実施状況報告書
  • [学会発表] MCDIの現状について2019

    • 著者名/発表者名
      清野竜太郎
    • 学会等名
      日本海水学会 第48回荷電膜コロキウム
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 異なる孔形成剤による多孔質シリコーン膜の非対称構造形成と低圧膜ろ過での有機溶媒回収2019

    • 著者名/発表者名
      清野竜太郎、松木達、関徳明
    • 学会等名
      日本膜学会 膜シンポジウム2019
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 種々の測性多孔質高分子膜の膜蒸留性能2019

    • 著者名/発表者名
      梶田浩平、下里光司、清野竜太郎
    • 学会等名
      高分子学会 第57回高分子と水に関する討論会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書
  • [学会発表] 活性炭素繊維電極を用いた膜容量性脱塩2019

    • 著者名/発表者名
      川端優希、塩冶一馬、中川敬三、新谷卓司、吉岡朋久、清野竜太郎
    • 学会等名
      日本膜学会第41年会
    • 関連する報告書
      2019 実施状況報告書

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公開日: 2019-04-18   更新日: 2023-01-30  

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