研究課題/領域番号 |
19K05677
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
倉持 悠輔 東京理科大学, 理学部第二部化学科, 講師 (30457155)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | スペシャルペア / 人工光合成 / 光触媒的二酸化炭素還元 / 光増感剤 / 分子触媒 / ポルフィリン / レニウム錯体 / 超分子集合体 / 二酸化炭素還元 / 金属錯体 / 光反応 / 閉環メタセシス反応 / マンガン錯体 / 二酸化炭素 / 還元反応 |
研究開始時の研究の概要 |
レドックス光触媒の光増感剤として広く用いられてきた貴金属錯体の代替物質として、可視領域に強い吸収を有する有機色素が注目を集めているが、有機色素は逆電子移動反応が競合しやすい欠点があり性能が低いのが現状である。 本研究では、このような有機色素で見られる逆電子移動を抑制するため、光合成のスペシャルペアとして知られるイミダゾリル亜鉛ポルフィリンダイマーを光増感剤として用い、貴金属錯体を凌駕する可視光吸収能と反応効率を示す光触媒反応系の構築を目指す。方法としては、レドックス光触媒の中で特に変換が困難な反応のひとつである二酸化炭素還元反応に注目して、この反応の光増感剤として用いることで性能を評価する。
|
研究成果の概要 |
天然の光合成では、反応中心のスペシャルペアが光エネルギー変換に重要な役割を果たしている。 一方、メソ位にイミダゾリル基を有する亜鉛ポルフィリンは、イミダゾリルから亜鉛イオンへの相補的配位により、スぺシェルペア類似の二量体を形成する。 本研究では、初めてこのポルフィリン二量体を光触媒CO2還元反応の光増感剤として用いた。Re錯体を有する二量体が光エネルギーによりCO2を還元し選択的にCOを与えること、またその反応量子収率は光強度に依存せず、比較的強い光の照射下で従来の系(J. Am. Chem. Soc.2020)よりも1桁以上大きい触媒回転数2800以上(18時間後)を示すことが分かった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人工光合成系の構築にあたって、希薄な太陽光を効率よく捕捉する光増感剤の開発は必須であり、特に太陽光の大部分を占める可視光成分を如何に吸収できるかが重要なカギとなる。本研究で用いたスペシャルペアモデルポルフィリン二量体は、従来光増感剤として広く用いられている貴金属錯体などに比較して、可視光領域において幅広い吸収帯及び約10から20倍の吸光係数を有している。この二量体が、レドックス光触媒の中で特に変換が困難な反応のひとつであるCO2還元反応で光増感剤として高い性能を示したことから、太陽光を有効利用できる多種多様なレッドクス光触媒系への応用展開も可能となると期待される。
|