研究課題/領域番号 |
19K05679
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分36020:エネルギー関連化学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中垣 隆雄 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30454127)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | ハニカム / 吸収速度 / 形状設計 / 多孔質体 / システム評価 / リチウムシリケート / CO2分離回収 / 核酸律速 / 圧力損失 / 二塔切替 / カーボンリサイクル / 焼結 / 化学反応 / Dusty gas model / Solid Sorbent / Cyclic Capacity / Effective diffusivity / Carbon Recycling / Iron and Steel Making |
研究開始時の研究の概要 |
本提案はCO2 Capture and Utilization(CCU)のために,500~900℃の高温域で繰り返し利用可能で,自重の30%以上の吸収容量のあるCO2吸収材,リチウムシリケート(以下LS)を用い,製鉄業のCO2分離回収システム実用化を目指した研究である.材料面においてはLS成形体のサイクル容量維持率の格段の向上を図る.反応器レベルでは,既反応層による物質輸送抵抗の影響と処理ガスの圧力損失を最小化しつつ,反応器の小型化と吸収量確保を達成するハニカム形状を数値計算にて設計し,その性能を実験的に評価する.また,分離CO2の利用として炭素循環製鉄システムのプロセス設計も行う.
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研究成果の概要 |
CCUを適用した製鉄プロセスにおけるCO2分離回収技術として,ハニカム型に成形したリチウムシリケート(LS)を2塔切替式の反応器に充填したシステムを考案した.焼結シミュレーションから,細孔形状による微細構造変化への影響を明らかにし,実験と数値計算によって造孔剤の添加量を決定することで,サイクル容量を維持するLS粉体のレシピと作成手順を確立した.また,ハニカム型の単チャンネルをモデル化し,質量・エネルギー・化学種の保存式連成の数値計算によって,CO2分離回収性能を最大化するハニカム断面形状を決定して作製した.プロセスシミュレーションの結果,分離回収エネルギーは既存技術よりも大幅に削減された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
再生可能エネルギーの導入によって比較的脱炭素化が容易な民生部門に対し,製鉄業をはじめとする脱炭素困難部門でのCO2排出削減はソリューションが限られる.炭素循環製鉄はそのソリューションとして期待されており,本成果はその主要機器となるCO2分離回収システムにおいて,分離回収エネルギーを大幅に低減する高温CO2吸収材「リチウムシリケート」にかかるの研究成果である.成果のハイライトは,実験と数値計算を基にハニカム型の成形体を設計し,運転条件とともに最適化した結果,分離回収エネルギーとして1.7 GJ/t-CO2の達成見込みを得たことであり,2050年カーボンニュートラル達成に貢献するものである.
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