研究課題/領域番号 |
19K05688
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
堀内 宏明 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (00334136)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 光増感剤 / がん / 光線力学療法 / pH応答性 / 一重項酸素 / 蛍光 / 近赤外 / 光線力学診断 / pH / 応答性 |
研究開始時の研究の概要 |
ガンの光化学的治療において高い治療効果と弱い副作用を両立させるために、ガン特異的な環境である低pH環境によって光活性が著しくON/OFFスイッチング可能な低pH応答性光増感剤を創製することを目指す。申請者らは最近、治療の鍵となる一重項酸素の生成量子収率だけでなく、光吸収波長(生体組織の光透過性に影響)と光吸収効率も制御可能なトリプルpH応答性光増感剤を見出した。この分子系に基づき、従来よりも飛躍的に高いガン選択性を有するトリプルpH応答性光増感剤を創製することを目的とする。
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研究成果の概要 |
ガンの近赤外光線力学療法に用いる高いガン選択性を有する光増感剤を開発した。この光増感剤は一般的な生体環境である中性条件では近赤外光を吸収せず、仮に光を吸収しても一重項酸素の生成量子収率や蛍光量子収率が低いトリプルOFF状態である。これに対しガン細胞内のリソソームの様な酸性環境に移行すると近赤外光を効率良く吸収し、かつ一重項酸素を生成し、蛍光も発するトリプルON状態にスイッチングできた。この分子のpH応答メカニズムを明らかにした上で、生体系に応用するための分子改良を行い、分子設計戦略を明らかにした。さらに疑似生体環境であるリポソーム中でも機能することを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在の主力のガン治療法は強力である反面、副作用も大きく、患者の生活の質の改善は重要である。光と薬剤を組み合わせた光線力学療法は非侵襲的なガン治療法として期待されている。しかしながら薬剤が正常組織中に分布することを完全に抑制することは困難であり、治療中の光や日常的な光による副作用が治療法の普及を妨げている要因の一つである。本課題では薬剤である光増感剤にトリプルpH応答性機能を付与したことにより、よりガン特異的な治療薬として期待でき、将来的に本課題のメカニズムを導入できれば、日帰り治療が可能な、手軽なガン治療法として普及できる可能性を有する。
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