研究課題/領域番号 |
19K05697
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
小川 敦司 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (30442940)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | リボスイッチ / 発現制御 / アプタマー / リボザイム / アプタザイム |
研究開始時の研究の概要 |
『分子応答性の遺伝子発現制御システム』である『リボスイッチ』を“自在に”構築できれば、任意分子の濃度に応じて任意タンパク質の生産量をコントロールすることができるため、幅広い学問領域において重要な基盤技術となるのは疑う余地がない。しかし、真核系で働く既存の人工リボスイッチは未だ発展途上で、主に効率面での改善が望まれている。そこで本研究では、制御分子を触媒的に再利用することで効率の良い遺伝子発現制御を可能とする『ターンオーバー型リボスイッチ』の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
モデル制御分子(テオフィリン)およびそのアプタマーを用いて、当該分子を触媒とするターンオーバー型アプタザイムを創製した。また、短鎖核酸やペプチドに応答する真核系リボスイッチを構築するとともに、前者に関して制御分子種を合理的に拡大する方法を確立した。一方で、発現促進時におけるリボスイッチの発現効率を高めるために、mRNAの非翻訳配列の最適化に加えて、高い真核発現効率を実現可能な転写-翻訳共役系を開発した。さらに、リボスイッチ機能をvitroで調査するための超巨大人工細胞の創製にも成功した。これらの技術を組み合わせることで、異なる3種のターンオーバー型真核系リボスイッチのプロトタイプを作成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
リボスイッチは、mRNAの非翻訳領域に存在し、特定の分子に応答して遺伝子発現を制御するRNA素子である。これまでに天然において数種類のリボスイッチが同定されてきたが、mRNAを上手く改変することで、人工的にも構築可能である。しかし、特に真核発現系で機能する人工リボスイッチの制御効率は悪く、その改善が望まれていた。本研究では、制御分子を触媒的に再利用することで効率の良い発現制御を可能とする『ターンオーバー型真核系人工リボスイッチ』の開発を試みて、そのプロトタイプを作成した。今後改良の余地はあるが、高効率な遺伝子発現制御を可能とし得る本技術は、生物学・医学を含む幅広い学問領域での利用が期待できる。
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