研究課題/領域番号 |
19K05703
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
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研究機関 | 安田女子大学 |
研究代表者 |
久保 貴紀 安田女子大学, 薬学部, 准教授 (90435751)
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研究分担者 |
柳原 五吉 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 特任研究員 (20158025)
瀬山 敏雄 安田女子大学, 薬学部, 教授 (90163120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | siRNA / 免疫チェックポイント / エクソソーム / 脂質 / コンジュゲート核酸 / 核酸医薬 / コンジュゲート / Lipid修飾 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、「Lipid-siRNA内包エクソソームを用いた免疫チェックポイント阻害剤の開発」を行う。これは、抗体を用いた「免疫チェックポイント阻害剤」に代わる、RNA干渉(RNAi)技術とエクソソームのデリバリー能力を応用した「新しいタイプの免疫チェックポイント阻害剤」である。そのために、、① Lipid-siRNAsによるPD-1、PD-L1の発現抑制効果の確認、② Lipid-siRNAsのエクソソームへの内包と標的細胞・組織への特異的デリバリーを達成する。このように本研究では、全く新しいアプローチでの免疫チェックポイント阻害法を確立し新しいがん治療法の道を開く。
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研究成果の概要 |
本研究課題において、まず、免疫チェックポイントを標的としたLipid-siRNAを作製し、RNAi効果について評価した。その結果、Lipid-siRNAは強く標的とする免疫チェックポイントの発現を抑制した。さらに、Lipid-siRNA内包エクソソームを作成しRNAi効果を検討した結果、極めて低濃度(数pM)で、かつ、持続性高く、標的遺伝子の発現を抑制した。また、Lipid-siRNAは担がんマウスモデルに対しても、優れた抗腫瘍効果を示した。 これらの結果は、Lipid-siRNAおよびLipid-siRNA内包エクソソームが新しい免疫チェックポイント阻害剤として応用できることを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗体を用いた「免疫チェックポイント阻害剤」は臨床で使用され優れた抗がん作用を持つ。しかし、免疫治療法で使用される抗体医薬品は、重篤な副作用の懸念や適用範囲の制限なども残されている。本研究で開発した、Lipid-siRNA内包エクソソームを用いた免疫チェックポイント阻害剤は、RNA干渉技術とエクソソームの能力を応用した「新しいタイプの免疫チェックポイント阻害剤」であり、本研究の結果からLipid-siRNA内包エクソソームは標的遺伝子の発現を低濃度で極めて強く抑制できることを証明した。本研究で開発した技術は、他の難治性疾患にも適用でき、応用範囲も広いことから学術的・社会に非常に意義がある。
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