研究課題/領域番号 |
19K05705
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37010:生体関連化学
|
研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
田中 好幸 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (70333797)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
|
キーワード | 酵素反応機構解析 / 構造化学 / NMR / X線結晶構造解析 / タンパク質核酸複合体 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子修復は生体の恒常性維持機構であり、その異常はがんの病理とも深くかかわる。中でも、ヒト8-OxoGuanine Glycosylase 1 (hOGG1) は修復系で中核的役割を果たす酵素である。そこでがん病理の理解および生体の恒常性維持機構の理解に向けて、hOGG1の触媒機構の解明に挑む。hOGG1の活性残基としては、Lys249とAsp268が触媒残基と目されている。しかしこれらの触媒残基の化学的役割については未同定の部分が多い。そこで上記活性残基の触媒機構上の役割の解明を目指し、hOGG1タンパク質と基質DNA複合体についてNMRによる物性解析およびX線結晶構造解析を実施する。
|
研究成果の概要 |
本研究では、がん病理の理解および生体の恒常性維持機構の理解に向けて、hOGG1の触媒機構の解明に挑んだ 。hOGG1の活性残基としては、Lys249(K249)とAsp268(D268)が触媒残基と目されている。しかしこれらの触媒残基の化学的役割については未同定の部分が多い。 そこで以下の研究を実施した。1) hOGG1の活性残基の置換変異体を作製し、pH依存的な酵素活性の変化から酵素学的pKaを決定した。2) 上記変異体および天然型hOGG1を用いてNMR分光法による活性残基のpKa値を直接的に決定した。 上記の実験から、グリコシラーゼ反応には活性残基からのプロトン供与が必須であることが解った。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
遺伝子修復は生体の恒常性維持機構であり、その異常はがんの病理とも深くかかわる。中でも、損傷塩基として頻度の高い 8-oxoguanineを除去修復する酵素: ヒト 8-OxoGuanine Glycosylase 1 (hOGG1) は修復系で中核的役割を果たす酵素である。本研究では、hOGG1の触媒機構の解明に挑んだが、これは分子論的な立場から、がんに対する防御機構を理解すること、および、生体の恒常性維持機構を解明することにつながる 。また遺伝子修復系を標的としたがん治療薬の開発も進んでおり、がん治療薬の開発にも将来的に資する研究と考えられる。
|