研究課題/領域番号 |
19K05709
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
塩野 義人 山形大学, 農学部, 教授 (80361278)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 共培養 / コクリオキノン / 細胞毒性 / Clonostachys rosea / Nectria pseudotrichia / Arthrinium marii / エンドファイト / メロテルペノイド / ネクトリアノリン / 玄米 / アルテナリオール / 二次代謝産物 / 嫌触反応 / スクリーニング / 植物内生菌 |
研究開始時の研究の概要 |
糸状菌は多様な化学構造を有する二次代謝産物を生産する。ゲノム解析技術の進歩により、二次代謝産物生合成遺伝子の多くは、二次代謝産物を生産せずに発現していない。すなわち、一株の菌において、我々がまだ知らない新規な二次代謝産物を生産する能力がある事を意味している。クリプティック遺伝子とは、その遺伝子がどのような物質を生合成するのか不明な場合にクリプティックという表現が用いられる。そこで、二次代謝産物を得ることを目的に、異種の微生物間の相互作用を利用した「共培養法」により、休眠遺伝子(クリプティック)を活性化し、新たな代謝産物を探索する試みを行う。
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研究成果の概要 |
分離糸状菌 Clonostachys rosea B5-2 と Nectria pseudotrichia B69-1の二種の菌類を共培養することにより、5種の化合物を単離した。それらは、構造解析の結果、furanocochlioquinol (1) と furanocochlioquinone (2), nectrianolin D (3)であり、化合物 4 と 5 は既知物質であった。ヒト前骨髄性白血病細胞株に対する毒性試験においては、化合物1が一番強い毒性を示した。Arthrinium marii M-211株のりんごジュース培地より、二種の新物質を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでに天然有機化合物の単離精製に関する研究は多くなされてきたことから、新規な二次代謝産物を得ることは簡単ではないと言われている。その一方、放線菌や糸状菌のような有用な物質を生産する酵素の遺伝情報が明らかにされると、予想以上に多くの生合成遺伝子クラスターを持っていることが判明した。共培養法により、微生物細胞間でのコミュニケーションや細胞間の直接の接触刺激による物質生産における制御機構を明らかにできれば、二次代謝産物の生産を活性化させる菌類の組み合わせが判明すると共に、これまで以上に、共培養法により新規骨格を有する生理活性物質の発見に期待できる。
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