研究課題/領域番号 |
19K05710
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
沓村 憲樹 筑波大学, 国際統合睡眠医科学研究機構, 教授 (00439241)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | モルヒナン / オピオイド / グルタチオン / チオール捕捉能 / 抗マラリア / 抗トリコモナス / 耐性解除 / 構造活性相関 / オレキシン / 活性立体配座 / 転位反応 / 新規骨格変換反応 / Baeyer-Villiger型反応 / Ireland-Claisen転位 / チオール基 / マイケルアクセプター / 抗マラリア作用 / δオピオイド受容体拮抗薬 / BNTX / 作用機序解明 / マラリア / モルフィナン / 薬剤耐性マラリア / チオール基捕捉能 / BNTX誘導体 |
研究開始時の研究の概要 |
当研究室では以前、モルフィナン骨格を基盤とした7-ベンジリデンナルトレキソン(BNTX)誘導体が、薬剤耐性マラリアの耐性を解除する作用や抗トリコモナス活性を有する事を見出し、これらの作用機序の鍵として、分子内の不飽和二重結合が関与していると推察した。本研究では、この仮説を「モルフィナン分子構造」と三要素(抗マラリア活性、チオール付加能(チオールとの反応速度)、細胞内活性酸素種の存在濃度)との相関から実験的に立証することを目的とする。そしてそれらの構造活性相関の蓄積を基に新たな分子設計を行い、最終的に、薬剤耐性マラリアにも適用可能な強力な抗マラリア活性を有するリード化合物創製を目指す。
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研究成果の概要 |
我々は、モルヒナン骨格を有するBNTX誘導体が薬剤耐性マラリアの耐性解除作用や抗トリコモナス活性を有する事を見出しており、これらの作用機序には化合物の不飽和二重結合による生体内チオール捕捉能が関与していると推測した。この仮説を実験的に証明する為、チオール捕捉能とクロロキン耐性マラリア殺活性との構造活性相関研究を行った。その結果、抗マラリア活性の強いモルヒナンほどチオール捕捉能も強い傾向にある事を確認した。本結果は、チオール捕捉能を抗マラリア活性評価の一次スクリーニングとして利用できる可能性を示唆している。さらに、モルヒナン骨格における新規転位反応や興味深い生物活性も見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
マラリア撲滅のため、新規作用機序を持つ薬物開発は多くの製薬企業や大学の創薬研究機関で行われており、本提案研究と同様に、原虫の生息する赤血球内のグルタチオン濃度の制御を鍵とした研究も少なくない。しかし、直接グルタチオンそのものを標的とした研究報告はごく一部であり、しかもドラッグライクな構造であるモルヒナン骨格を基盤とする抗原虫薬の開発研究は報告例が無く、本研究の推進には大きな意義がある。
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