研究課題/領域番号 |
19K05712
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中川 優 名古屋大学, 生命農学研究科, 准教授 (90452284)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | Pradimicin / 糖鎖 / 天然物 / マンノース / 糖タンパク質 / 研究用ツール / 糖タンパク質染色 / 酵母検出 / carbohydrate / pradimicin / lectin / molecular design / fungal detection |
研究開始時の研究の概要 |
Pradimicin A (PRM-A) は,マンノースに結合する類まれな低分子化合物であり,糖鎖生物学研究への利用が期待されている。しかしながら,PRM-A は容易に凝集するために取り扱いが難しく,実用化された例はない。本研究では,「PRM-A のカルボキシ基をアミド化することによって凝集性を大幅に抑制できる」という独自の知見に基づき,糖タンパク質の蛍光染色と精製,糖鎖切断,および酵母検出に利用できる PRM-A 誘導体の開発を目指している。
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研究成果の概要 |
プラディミシン A (PRM-A) は,マンノース (Man) に結合するユニークな天然物である。Manは生物学的に重要な糖鎖の構成糖であることから,PRM-Aは糖鎖研究における貴重なツールとなる可能性を秘めている。しかしながら,PRM-Aは高い凝集性を有するために取り扱いが難しく,糖鎖研究に全く活かされていない。本研究では,PRM-Aの18位カルボキシ基あるいは二糖部分を構造改変することにより凝集性を大幅に軽減できることを見いだした。さらに本知見に基づいて,糖タンパク質の染色や真菌の検出に利用できるツールや用途に応じた機能性分子を連結できるPRM-A誘導体を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年,生命現象の包括的理解には糖鎖の機能解明が不可欠であるとの認識が広まっており,ゲノミクス,プロテオミクスに並んでグライコミクスの重要性が急速に高まっている。グライコミクス研究においては“高分子”の糖結合性タンパク質が広く利用されているが,本研究では天然由来の糖結合性“低分子”も利用できることを初めて実証した。本研究で得られた成果は,糖鎖科学分野における天然物利用の新たな可能性を提示するものであり,糖鎖科学および天然物化学の両分野における学術的意義は大きいと考えられる。
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