研究課題/領域番号 |
19K05714
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
野上 敏材 鳥取大学, 工学研究科, 教授 (60402963)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 環状オリゴ糖 / グリコシル化反応 / 電解合成 / チオグリコシド |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では機能が分子レベルで明らかにされていないオリゴ糖の中でも特に環状オリゴ糖に着目して、効率的合成法の開発と機能解明を最終的な目標としている。独自に開発した液相電解自動合成法を駆使して、鎖状オリゴ糖を環状オリゴ糖へと高収率かつ立体選択的な変換を実現しようとする点に学術的独創性と創造性がある。なお、本研究では確立した合成法を用いてマメ科に共生する根粒菌由来の環状βグルカンを全合成の標的化合物としている。さらに環状βグルカンがマメ科植物と根粒菌との共生に果たす役割を分子レベルで明らかにするために、プローブ分子として機能する環状βグルカン誘導体の化学合成も実施し、機能解明へと展開する。
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研究成果の概要 |
環状オリゴ糖の有機電解合成に取り組み、新規環状オリゴ糖の合成ならびにグリコシル化反応中間体の分光分析を行った。液相電解自動合成を用いたオリゴ糖の逐次合成に加えて、電解重合に基づくオリゴ糖合成法を開発し、鎖状オリゴ糖の迅速合成を実現した。さらに、環状オリゴ糖合成へと応用することで、シクロデキストリンの構成単糖をグルコースからN-アセチルグルコサミンへの置換した環状オリゴ糖の合成を世界で初めて達成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
グルコースからなる環状オリゴ糖であるシクロデキストリンは最も学術的に注目を集めただけでなく、社会にも普及しているオリゴ糖の一つであると言える。天然に豊富に存在する多糖であるキチンやキトサンを構成するグルコサミンは対応する環状オリゴ糖が天然には存在していない。本研究で世界で初めてシクロデキストリンの構成糖であるグルコースをグルコサミンに置き換えた環状オリゴ糖「シクロカサオドリン」の化学合成に成功した。今後、シクロデキストリンとの比較を通じてシクロカサオドリンの機能が明らかにされるとともに、社会実装も期待される。
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