研究課題/領域番号 |
19K05715
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福田 勉 長崎大学, 環境保全センター, 准教授 (80295097)
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研究分担者 |
西谷 直之 岩手医科大学, 薬学部, 教授 (10286867)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ラメラリン / アザラメラリン / A環部改変 / F環部改変 / EGFRキナーゼ阻害剤 (EGFR-TKI) / EGFR / キナーゼ / C797S変異 |
研究開始時の研究の概要 |
上皮成長因子受容体(EGFR)のキナーゼドメインのC797S変異による、非小細胞肺がんの耐性化が顕在化しつつある。一方でラメラリンとは、海洋生物の一種から得られる一連の天然化合物である。ラメラリンの一種には、EGFRのキナーゼドメインの阻害に基づく非小細胞肺がんの増殖抑制が認められた。以上を踏まえ本研究では、①ラメラリン類縁体を効率良く合成するための手法の確立、②EGFRキナーゼ阻害活性評価による構造活性相関研究、③EGFRキナーゼとのドッキングシミュレーションによる阻害モード解析、以上を実施することで、C797S変異EGFRをもつ非小細胞肺がんに有効なラメラリン系阻害剤の創製を図る。
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研究成果の概要 |
EGFRチロシンキナーゼ阻害剤の開発を目的として、A環部およびF環部を修飾したラメラリンNおよびアザラメラリンN誘導体の効率的な合成法を確立した。また、A環の20位および21位に3-(ジメチルアミノ)プロポキシ基を有するアザラメラリンN誘導体が、対応するラメラリンN誘導体に比べて高いEGFRキナーゼ阻害活性を示すことを見出した。さらに、アザメラリンN誘導体は、EGFR T790M/L858R を持つがん細胞株の増殖を野生型EGFRを持つがん細胞株よりも選択的に阻害することが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
上皮成長因子受容体 (EGFR) のキナーゼドメインの変異による、非小細胞肺がんの薬剤耐性化に関する問題が顕在化しつつある。研究代表者らは、海洋天然物ラメラリンNに着目してEGFRチロシンキナーゼ阻害剤に関する研究を進めてきた。その結果、ラメラリンN誘導体やアザラメラリンN誘導体が変異EGFRチロシンキナーゼに対して高い阻害活性を持つことを見出した。ラメラリンN誘導体やアザラメラリンN誘導体は従来のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤とは大きく異なる構造を持つため、従来のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤と交差耐性を持たない阻害剤のリードとなることが期待される。
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