研究課題/領域番号 |
19K05718
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 (2021) 岩手医科大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
田村 理 和歌山県立医科大学, 薬学部, 教授 (30362619)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 血管新生阻害 / 抗がん / ブテノリド / 構造活性相関 / ポリケチド / 海洋真菌由来 / 立体異性体合成 / 抗がんリード / 海洋真菌 / 真菌由来 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞は、元々が自分自身の細胞から生まれるため、薬物によるがん細胞へ選択的な攻撃が難しく、そこが抗がん剤の副作用の主な要因となっている。がん細胞は、爆発的な増殖に必要な栄養分を得るため、既存の血管からがん組織へと新しい血管を引いてくる「血管新生」という現象を引き起こす。血管新生は血管網が完成している正常組織では起こらないため、これを抑制する化合物は、正常組織に影響を与えず、がん組織を兵糧攻めにすることが可能となる。本研究では、血管新生に関係している細胞を選択的に攻撃する化合物を見つけており、この化合物を足がかりとして抗がん剤の開発を目指している。
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研究成果の概要 |
固形がんは、新たな血管をがん組織へと導くことで酸素や栄養素を得て増大するため、この血管新生を抑えることでがんの増殖を抑制できる。々が見出したepoxycarolideは、血管新生の鍵となる血管内皮細胞への選択的な生育阻害物質であり、本化合物を抗がん剤開発へと繋がる検討を行った。本化合物の立体異性体を合成したところ、天然物に匹敵する活性を示す立体異性体を見出すことに成功した。さらに、分子内に存在するエポキシド構造が活性発現に必須であることを、構造活性相関から明らかにした。その過程で、合成ルートの改良を行い、汎用性の高いルートを確立した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
対象としているepoxycarolideは、分子量が非常に小さい上に多彩な官能基を備えているため、有機合成的な改変、開発に適している。今回、種々の立体異性体を合成可能なルートの開発を達成し、さらに改良できたことで、今後のepoxycarolideをシーズ分子とした血管新生阻害作用を作用メカニズムとした新規抗がん剤の開発に向けて大きな一歩となった。また、側鎖上のエポキシド構造が活性発現に必須であることを明らかにできたことから、今後はエポキシド部分を残した開発が必要であることを示唆できた。
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