研究課題/領域番号 |
19K05719
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
長井 賢一郎 北里大学, 薬学部, 講師 (30321649)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 環状ペプチド / アムホテリシンB / 活性増強 / ネクトリアチド / アムホテリシンB活性増強作用 |
研究開始時の研究の概要 |
深在性真菌症の第一選択薬であるアムホテリシンB (AMPB) は広い抗真菌スペクトルと迅速な殺菌作用を示すが、重篤な副作用が問題となっている。 微生物資源より見出されたAMPBの抗真菌活性を増強する新規環状ペプチドのネクトリアチドは単独では抗真菌活性を示さないため、その併用は治療におけるAMPBの投与量を削減し、副作用を減弱すると期待できた。 本研究では、合成化学的手法によってのみ可能なネクトリアチドの構造活性相関研究を遂行し、それを糸口として高活性な誘導体の創製とプローブ分子を活用した標的分子の解明に挑戦する。結果として副作用の少ないAMPB療法の実現を目指す。
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研究成果の概要 |
液相合成法によるAmB活性増強作用を持つネクトリアチドの合成を行った。構造活性相関の解明のため、アミノ酸を変換した誘導体を合成した。構造活性相関の結果から、ネクトリアチドの構成アミノ酸の立体化学、側鎖、N-メチル基、フェノール性水酸基、環状構造はAmB活性増強作用に大きく影響しないことを明らかにした。さらにC末、N末、フェノール性水酸基が保護された各種鎖状誘導体はネクトリアチドより高活性であった。構造活性相関を参考にして、ビオチン部位を持つプローブ分子を設計合成した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、広い抗真菌スペクトルと強力な抗真菌活性を持つAmBを活用し、ネクトリアチドとの併用少量投与により副作用を減弱させる戦略であり、これまでの真菌の生育を直接阻害する抗真菌剤の開発とは全く異なる。その中で、ネクトリアチドより高活性な誘導体の合成に成功したことは、さらなる用量の減量につながる可能性がある。 構造活性相関から設計したプローブ分子を利用してネクトリアチドの標的分子を探索した。現在も進行中であるが、未知の分子標的の発見、そして作用機構の解明に繋がり、その波及効果として新しい抗真菌剤の創薬戦略が生まれると期待できる。
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