研究課題/領域番号 |
19K05721
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分37020:生物分子化学関連
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研究機関 | 聖マリアンナ医科大学 |
研究代表者 |
佐藤 利行 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (10350430)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 再発性多発軟骨炎 / 血清 / 血清ペプチド / 診断マーカー / バイオマーカー / ペプチドミクス / 質量分析 / 再発性多発性軟骨炎 |
研究開始時の研究の概要 |
再発性多発軟骨炎(relapsing polychondritis, RP)は全身の軟骨組織が再発性かつ進行性に侵され、耳・鼻・眼・気管・関節などに炎症を来たす慢性炎症性疾患である。McAdamらが提唱した方法がRP診断に使用されている。しかし、発症初期には臨床症状が揃わず診断基準を満たさないこともあり、RP診断に有用な検査は現時点では確立されていない。本研究では、RPの診断マーカー候補となる血清ペプチドを検出し、単独または複数の血清ペプチドからなるRPの診断モデルを作成し、異なる症例から成るコホートを用いて有用性を検討する。さらに、モデル作成に用いたペプチドが軟骨細胞に与える影響を検討する。
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研究成果の概要 |
モデル構築用のtraining setのRP群でHC、RA、HC+RA(non-RP)群に比べ1.2倍以上イオン強度が増減したペプチドを各々検出した(p<0.05)。training setで11、9、14個のペプチドイオン強度による多変量解析でRP群とHC、RA、non-RP群を完全に判別できた。RP群とnon-RP群の判別モデルを構成する14個のペプチドで10個が同定され、同定ペプチドから任意の4つを選び作成したRP/nonRP判別モデルのうち、モデル検証用のtesting set、testing setにGPAを加えたcohortで感度も特異度も70%以上を示すモデルを4つ見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、「血中ペプチドをバイオマーカーとして捉えた点」である。血中蛋白質は、99%を主要な蛋白質、残り1%を多様な蛋白質・小蛋白質(ペプチド)が占める。代表者のグループは顕微鏡的多発血管炎活動期にのみ検出される血清ペプチドの検出、レビー小体型認知症(DLB)で感度・特異度共に約90%を示すマーカー候補血清ペプチド及びアルツハイマー型認知症(AD)とDLBとを90%以上の確率で判別する血清ペプチドの検出など、ペプチドミクスで診断マーカー開発に応用している。社会的意義は、バイオマーカー研究を治療応用に繋げる点、である。いわば本研究は「バイオマーカー学」を樹立するものである。
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